ファンレスPCって静かでいいけど、デメリットもあるんだよね。
でも、実際に使ってみないとわからないことも多そう。
ファンレスPCのデメリットを知らずに購入すると、後悔するかもしれません。
そこで、今回はファンレスPCのメリット・デメリットを徹底比較!選び方のポイントについて紹介します!
- ファンレスPCの長所と短所
- ファンレス設計による性能への影響
- ファンレスPCを選ぶ際の注意点
ファンレスPCの3つのデメリット
ファンレスPCには静音性などのメリットがある一方で、いくつかの短所も存在します。
ファンレスPCを購入する前に、以下の3つのデメリットを理解しておくことが重要です。
ファンレスPCのデメリットを把握することで、自分の用途に本当に適しているのかを見極められるでしょう。
それでは、各デメリットを詳しく解説していきます。
放熱性能の限界がある
ファンレスPCは放熱性能に限界があるというデメリットを抱えています。
ファンがないため、CPUやチップセットの排熱を空冷のみで行う必要があります。
そのため、ファンレスPCでは以下の制約が生じてしまいます。
- 高負荷な作業で発熱しやすい
- パーツ選択の自由度が低い
- 筐体が大型化しがち
例えば、動画のエンコードやゲームなどCPUに高負荷がかかる作業を行うと、ファンレスPCは発熱して安定動作しづらくなります。
また、排熱効率の高いCPUやマザーボードしか選べないため、パーツ選択の幅が狭まってしまいます。
加えて、ヒートシンクを大きくする必要があるため、ファンレスPCは一般的なPCより筐体サイズが大きくなる傾向にあります。
ファンレスPCは優れた静音性を実現できる反面、放熱性能の限界から用途が制限されるデメリットがあるのです。
自分の使い方に見合った冷却性能なのかを見極めることが肝要です。
高性能パーツが使えない
ファンレスPCでは高性能パーツを搭載しづらいというデメリットがあります。
ファンレス設計のPCは発熱の高いハイエンドCPUやGPUに対応していないことが多いです。
一般的なファンレスPCでは、以下のようなパーツ選択の制約があります。
- Core i7などの高性能CPUが使えない
- ハイエンドGPUを搭載できない
- メモリやストレージのスペックが限定的
例えば、動画編集や3DCGレンダリングなど重い処理を行いたい場合、ファンレスPCに搭載できるCore i5では力不足になることも。
また、ゲーミングPCとして使うには、高性能のグラフィックボードを載せられないため、プレイできるゲームが限られてしまいます。
さらに、大容量メモリやNVMe SSDなど、発熱の高いパーツの選択肢も少なくなるため、性能面で妥協が必要になります。
このように、ファンレス設計のPCは高い冷却性能を求められるハイスペックパーツとの相性が悪いのです。
ファンレスPCが必要とするスペックなのかを慎重に見極める必要があるでしょう。
価格が高くなりがち
ファンレスPCは一般的なPCと比べて価格が高くなりがちです。
ファンレス設計は特殊な筐体構造や高価な静音パーツが必要になるため、コストが上がります。
ファンレスPCでは、以下のような価格上昇要因があります。
- 大型のヒートシンク
- 静音性の高い電源ユニット
- 排熱効率を高める筐体設計
例えば、CPUの排熱を効率良く行うためには大型の純銅製ヒートシンクが必要で、これが数千円のコスト増につながります。
また、静音性が高く安定動作が求められる電源ユニットは、安価な汎用品より1万円以上高くなることも珍しくありません。
加えて、放熱性を高めるための筐体設計の工夫や静音パーツの採用などで、ファンレスPCは同スペックの一般的なPCより数万円高い価格設定になりがちです。
予算的な制約から、必要なスペックのファンレスPCが買えないことも起こり得ます。
ファンレスPCを選ぶメリットと予算のバランスを考えることが重要だといえるでしょう。
ファンレスPCは静音性を重視する分、性能面や価格面で妥協が必要になります!
ファンレスPCを選ぶメリットとは
ファンレスPCにはデメリットがある一方で、PCの使い勝手を高めるメリットもたくさんあります。
ここからは、ファンレスPCならではの長所を3つ紹介していきます。
ファンレスPCの静音性やメンテナンス性の高さを知ることで、PC選びの選択肢が広がるはずです。
動作音が非常に静か
ファンレスPCは動作音が非常に静かで、作業に集中しやすい環境を作れます。
冷却ファンを搭載していないため、可動部品の音が一切ないのがファンレスPCの最大の魅力です。
ファンレス設計のPCは、静音性の面で以下のようなメリットがあります。
- ファンの回転音がゼロ
- 高負荷時も騒音レベルが上がらない
- 夜間の使用も周囲に迷惑をかけない
例えば、深夜に音楽制作や動画編集の作業をするのに、PC騒音が気になって思うように作業が進められないことがあります。
しかし、ファンレスPCなら負荷が高まってもファン音が大きくなる心配がないので、いつでもストレスなく没頭できます。
また、寝室に置いて作業することも、ファンレスPCなら静かなのでパートナーへの気遣いも不要です。
さらに、オフィスの集中ブースなどファンレスPCを導入すれば、PCファン音がまったくしないのでデスクワークに集中しやすい環境が実現できます。
このように、ファンレスPCは優れた静音性により、作業効率や生活の質を高めるメリットがあるのです。
ホコリの吸い込みが少ない
ファンレスPCはホコリの吸い込みが少ないため、PCの内部が汚れづらいメリットがあります。
ファン搭載のPCと異なり、ファンレスPCは内部に空気を取り込まないため、ホコリなどの異物が入り込みにくいです。
ファンレスPCは、ホコリ対策の点で以下のようなメリットがあります。
- 内部にホコリが溜まりづらい
- ファンのメンテナンスが不要
- 半年に1回の掃除で済む
例えば、オフィスや工場など埃の多い環境では、PCファンがホコリを吸い込んで内部が汚れやすくなります。
一方、ファンレスPCなら気密性の高い筐体なのでホコリの侵入を防ぎ、内部を清潔に保ちやすいのです。
また、ファンにはホコリが絡まってくるため定期的な清掃が必要ですが、ファンレスならメンテナンスの手間が省けて楽です。
加えて、ファンレスPCは半年に1回程度、圧縮空気で筐体内部を軽く吹くだけで、簡単に掃除できます。
このように、ファンレスPCはメンテナンスの手間とコストを大幅に削減できる利点があります。
故障リスクが低い
ファンレスPCは故障リスクが低く、安定性に優れているのもメリットの一つです。
ファンレスPCは可動部品であるファンを省いた設計のため、物理的な故障箇所が減ります。
ファンレス設計によって、以下のような故障リスクの低減が見込めます。
- ファンの物理的な故障がない
- ホコリ詰まりによる冷却不良の回避
- 長期間安定稼働しやすい
例えば、PCのファンにホコリが溜まると異音が発生したり、最悪の場合は焼き付きで故障してしまいます。
しかし、ファンレスPCならファンの故障リスクがないため、長期間安心して使えるでしょう。
また、ファンレス設計のPCはホコリ対策も万全なので、内部にホコリ溜まりによる冷却不良を防止できます。
加えて、ファンレスPCはシンプルな内部構造なので、パーツ単位での故障も起こりにくく、長期安定稼働に適しています。
このように、ファンレスPCは故障リスクが低く、長くストレスなく使い続けられるメリットがあります。
ファンレスPCは静音・清潔・故障が少ないのが魅力!用途に合えばおすすめできます。
おすすめのファンレスPC
ファンレスPCを買う前にチェックすべきポイント
ファンレスPCを購入する際は、自分の用途に適しているかを慎重に見極める必要があります。
ここからは、ファンレスPC選びで確認すべき3つのポイントを解説します。
ファンレスPCの選び方のポイントを押さえて、失敗のない製品選びを心がけましょう。
用途に見合った性能か
ファンレスPCを選ぶ際は、自分の用途に必要十分な性能なのかをしっかりチェックしましょう。
ファンレスPCは放熱性の制約から、ハイスペックなパーツ構成が作りづらいことを理解しておくことが大切です。
用途別に求められるおおよそのスペックは以下の通りです。
- オフィスワーク:Core i3以上、メモリ8GB以上、SSD
- 画像編集:Core i5以上、メモリ16GB以上、SSD
- 動画編集:Core i7相当、メモリ32GB以上、SSD+HDD
例えば、オフィスワークやWebサーフィン程度ならファンレスPCのCore i3モデルでも十分快適に使えるでしょう。
一方、Photoshopを用いる画像編集では4コア以上のCore i5が必要になり、ファンレスだと製品選択肢が少なくなります。
また、PremireProなどの動画編集は負荷が高いため、ファンレスPCでは非力なことを覚悟する必要があります。
さらに、ゲーミングPCとしては熱暴走のリスクが高いため、ファンレスPCでの用途はおすすめできません。
ファンレスPCの性能面の限界を正しく理解して、過度な期待は禁物だと覚えておきましょう。
放熱設計は十分か
ファンレスPCを選ぶときは、放熱設計が十分かどうかもチェックポイントになります。
ファンレスPCの冷却性能の高さが、安定動作と製品寿命を左右します。
ファンレスPCの放熱設計のポイントは以下の通りです。
- 大型ヒートシンクの搭載
- 通気口の配置と開口率
- 排熱効率の高い筐体素材
例えば、ヒートシンクがCPUだけでなくチップセット全体をカバーしているタイプは、放熱性が高くておすすめです。
また、アルミ筐体で通気口の面積が広いほど、自然空冷の効果が高まり、パーツを適温に保ちやすくなります。
加えて、ヒートスプレッダーの素材や筐体構造など、放熱効率を追求した設計の製品を選ぶのが賢明です。
逆に、放熱設計が貧弱なファンレスPCは、冷却不足でパーツの最高温度に達してしまい、突然シャットダウンするトラブルも起こりえます。
ファンレスPCでは放熱性能が命と言っても過言ではないため、十分な冷却設計がなされているかは入念にチェックすべきです。
アフターサポートの充実度
ファンレスPCのメーカー選びでは、アフターサポートの充実度もチェックしておくと安心です。
ファンレスPCは故障リスクが低いとはいえ、まれにトラブルが発生することがあります。手厚いサポート体制のメーカーなら、不具合にも迅速に対応してもらえるでしょう。
ファンレスPCのサポート面で確認すべき点は以下の通りです。
- 修理受付期間の長さ
- サポートの対応時間
- メーカー保証の有無
例えば、修理受付期間が製品購入から5年など長いと、買ってからしばらく経ってから故障しても修理してもらえます。
また、24時間365日対応のサポート窓口があれば、トラブル時にいつでも相談できるので心強いですね。
さらに、ファンレスPCはメーカー保証のある国内ブランド品がおすすめで、初期不良にも安心して対処できます。
一方、サポートが手薄なメーカーのファンレスPCは、故障時の修理に時間がかかったり、保証を受けられない可能性もあります。
ファンレスPCは少し高価な製品なので、購入後のサポート面もよく吟味して、納得のいくメーカー選びを心がけましょう。
ファンレスPCを購入する前に、用途・放熱性・サポートの3点をチェックしよう!
ファンレスPCが向いている人・向いていない人
最後は、ファンレスPCが向いている人・向いていない人を整理して、PC選びの参考にしていきましょう。
ファンレスPCは高い静音性が魅力である反面、用途に制限があります。
ここでは、ファンレスPCのおすすめ度を以下の4タイプに分けて解説します。
ファンレスPCの向き不向きを理解して、自分に最適なPCを選びましょう。
【向いている】静音性を最優先する人
ファンレスPCは、PC運用で静音性を最も重視する人におすすめです。
オフィスの集中ブースや寝室など、とにかく静かな環境でPCを使いたい場合はファンレスPCが最適でしょう。
例えば、深夜に音楽や動画の編集をする際、ファンレスPCならファンの騒音がゼロで、ヘッドフォン越しでも細部まで音をしっかりと聴き取れます。
また、同じ部屋で寝ている家族に気兼ねなくパソコン作業ができるのも、ファンレスPCの静音性ならではのメリットです。
【向いている】軽めの作業が中心の人
ファンレスPCは、Webブラウジングや書類作成など、負荷の低い用途で使う人に適しています。
オフィスワークのようなライトな作業が中心なら、ファンレスPCのスペックで必要十分です。
例えば、メールやExcel、PowerPointなど事務作業ツールの利用であれば、ファンレスPCの性能で何ら問題ありません。
また、YouTubeやNetflixなどの動画視聴も、ファンレスPCのスペックで快適に楽しめるでしょう。
【向いていない】高性能を求めるユーザー
ファンレスPCは、高負荷な作業をするユーザーには不向きです。
4K動画の編集やハイエンドゲームを快適にプレイしたいなら、ファンレスPCのスペック不足は否めません。
例えば、PremireProやAfter Effectsでガンガン動画編集する場合、ファンレスPCではCPUやGPUが性能限界で、作業効率が落ちるでしょう。
また、最新のゲームタイトルを高画質でプレイしたい人も、ファンレスPCのGPU性能では物足りないと感じるはずです。
【向いていない】予算重視の人
ファンレスPCは、徹底的に予算を抑えたい人にはおすすめできません。
ファンレスPC設計は特殊部品の採用で割高になるため、同スペックの標準的なPCより数万円高いのが一般的です。
静音性や故障のしづらさなどファンレスPCのメリットに魅力を感じない人からすれば、割高感は否めないでしょう。
可能な限り安価にPCを購入したいなら、数千円でも安い製品を選びたくなるはずです。
しかし、ファンレスPCを選ぶということは、静音性を得るために多少の出費も厭わないということなのです。
予算ありきでPCを選ぶなら、ファンレスPCよりも汎用機種の中から価格と性能のバランスが取れたPCを探すことをおすすめします。
以上、ファンレスPCのメリット・デメリットや選び方のポイントを解説しました。
ファンレスPCは、静かな環境を最優先する人や、軽めのPC作業がメインの人に最適な選択肢です。
反対に、高性能を求める人や徹底的なコスト重視の人は、ファンレスPC以外の製品から自分に合ったPCを見つけた方が賢明でしょう。
ファンレスPCの特性をよく理解した上で、自分に最適なPCを選んでくださいね。
まとめ ファンレスPCのメリットとデメリットを徹底比較!
今回は、ファンレスPCの長所と短所を詳しく解説し、購入前に知っておくべき注意点について紹介しました!
- 冷却ファンがないため放熱性能に限界あり、高性能パーツ搭載は難しい
- 動作音が非常に静かで、ホコリ吸い込みや故障リスクは少ないのがメリット
- 用途に見合う性能か、放熱設計の十分さ、サポート体制をチェックすべし
ファンレスPCは冷却ファンを搭載していないため、放熱性能に限界があり、高性能パーツの使用が制限されます。また、価格も高めになる傾向があります。一方で、動作音が非常に静かなこと、ホコリの吸い込みが少ないこと、故障リスクが低いことなどがメリットとして挙げられます。購入前には、用途に見合った性能か、放熱設計が十分か、アフターサポートの充実度などをしっかり確認しましょう。
ファンレスPCって静かそうだけど、性能面では制限があるんだね。用途によっては魅力的だけど、よく検討しないと失敗しそう。
静音性を最優先し、軽めの作業が中心なら、ファンレスPCは良い選択肢になります。反対に、高性能を求めるユーザーや、予算重視の人にはあまり向かないのでその点も考慮した上で検討されると良いと思います。