ThinkPad X12 Detachable Gen 2は、タブレットとしての携帯性とノートPCの生産性を両立させた、ビジネス特化型の「脱着式(デタッチャブル)」2-in-1 PCです。前モデルから継承された使い勝手の良い筐体に、最新のAI対応プロセッサー「Core Ultra」を搭載したことで、処理性能と電力効率が向上しています。
一方で、筐体デザインが大きく変わっていない点やポート類の少なさなど、購入前に知っておくべき注意点も存在します。本記事では、スペック詳細やユーザーの声をフラットに分析し、このモデルがどのようなユーザーに適しているのかを分かりやすく解説します。
ThinkPad X12 Detachable Gen 2の主な特徴と進化
主要スペック一覧

| パーツ | スペック |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| CPU | インテル Core Ultra 5 プロセッサー 134U vPro |
| メモリ | 16GB LPDDR5X-7500MT/s |
| ストレージ | 256GB SSD M.2 |
| ディスプレイ | 12.3型 (1920 x 1280) |
最新Intel Core Ultra (Series 1) プロセッサーの採用とAI処理能力
本モデルの最大の特徴は、心臓部に「インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ1)」を採用した点です。具体的には、省電力重視の「Core Ultra 5 プロセッサー 134U vPro」などが搭載されています。
このプロセッサーには、AI処理を専門に行うNPU(Neural Processing Unit)が統合されており、Web会議時の自動フレーミングや背景ぼかし、音声ノイズキャンセリングといったタスクを効率的に処理できます。従来のCPUに負荷をかけずにこれらの機能が使えるため、バッテリー持ちの改善やシステム全体のレスポンス向上に寄与しています。
ビジネス利用に最適化された12.3型デタッチャブル(脱着式)機構
ThinkPad X12 Detachable Gen 2は、ディスプレイ部分(タブレット本体)とキーボード部分が分離する「デタッチャブル構造」を採用しています。
一般的な360度回転ヒンジの2-in-1とは異なり、キーボードを取り外せば純粋なタブレットとして軽量に扱えるのがメリットです。背面にはキックスタンドを備えており、自由な角度で自立させることが可能。デスクワーク時はノートPCとして、移動中やプレゼン時はタブレットとして、シーンに合わせて形状を変化させることができます。
ThinkPad X12 Detachable Gen 2のスペック・仕様詳細

Core Ultra 5 134Uプロセッサー・メモリ・ストレージの構成内容
Lenovo公式サイト(製品番号:21LKCTO1WWJP2)の基本構成におけるスペックは以下の通りです。
- プロセッサー: インテル Core Ultra 5 プロセッサー 134U vPro(Eコア 最大3.60GHz / Pコア 最大4.40GHz)
- メモリ: 16GB LPDDR5X-7500MT/s(オンボード)
- ストレージ: 256GB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC OPAL対応
特筆すべきはメモリの速度です。LPDDR5X-7500MT/sという高速なメモリを搭載しており、アプリの起動やデータの読み込みにおいてスムーズな動作が期待できます。ただし、メモリはオンボード(基板直付け)のため、購入後の増設はできません。ストレージは標準で256GBですが、カスタマイズでより大容量なSSDを選択することも可能です。
FHD+ディスプレイ・筐体サイズ・インターフェースの仕様分析
ディスプレイは12.3型のFHD+液晶(1920 x 1280)を採用しており、アスペクト比は縦の情報量が多い「3:2」です。これはWebサイトの閲覧や文書作成において、一般的な16:9の画面よりも作業効率が良いとされる比率です。
パネルはIPS方式で視野角が広く、輝度は400nitと屋外でも見やすい明るさを確保しています。また、表面は反射防止・汚れ防止加工が施されたゴリラガラスで保護されています。
インターフェース類は以下の通りです。
- 1 x USB4 (Thunderbolt 4 対応)
- 1 x USB 3.2 Gen 2 Type-C (Video-out 対応)
- マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック
- Nano SIMカードスロット(カスタマイズ選択時のみ)
ポート類はすべて左側面に集中しており、USB Type-Aポートは搭載されていません。
市場の反応から見るThinkPad X12 Detachable Gen 2のメリット

ThinkPadならではのトラックポイント付きキーボードと打鍵感
多くのユーザーから高く評価されているのが、付属の「フォリオ・キーボード」の品質です。薄型の脱着式カバーでありながら、ThinkPadの代名詞である「トラックポイント(赤ポチ)」を搭載しています。
これにより、ホームポジションから手を離さずにマウス操作が可能です。キーボード自体もバックライト付きで、しっかりとした打鍵感があると評判です。「タブレットでも文字入力には妥協したくない」という層から支持されています。
MIL-STD 810H準拠の堅牢性と1kgを切るタブレット本体の携帯性
耐久性に関しては、米国国防総省の調達基準「MIL-STD 810H」に準拠したテストをクリアしており、振動や温度変化への強さが証明されています。
重量については、タブレット本体のみであれば非常に軽量で、キーボードを合わせても持ち運びの負担になりにくい設計です。レビューでも「物理法則を無視しているかのような軽さ」といった声や、バッグに入れても嵩張らない点が評価されています。
マグネット式ペン標準対応とvPro・4G LTEオプションの実用性
ビジネス用途での評価ポイントとして、別売りのLenovoデジタルペンへの対応が挙げられます。
また、企業導入で重視されるリモート管理機能「vPro」に対応したCPUを選択できる点や、カスタマイズで4G LTE(WWAN)を追加できる点もメリットです。Wi-Fi環境がない場所でも通信できるため、フィールドワークや営業活動での利便性が高まります。
購入前に確認しておきたいデメリット・注意点

USB Type-Cポートのみの構成とMicroSDスロットの不在
購入者のレビューで頻繁に挙げられる不満点が、拡張性の乏しさです。搭載されているUSBポートはType-C形状のものが2つのみで、従来のUSB Type-A機器を接続するには変換アダプタが必要です。
また、MicroSDカードスロットが搭載されていないため、カメラで撮影したデータを直接取り込んだり、手軽にストレージ容量を拡張したりすることができません。データのやり取りが多いユーザーにとっては、別途USBハブなどを持ち歩く必要が生じます。
前モデルを踏襲したデザインとベゼル幅に関する評価
本モデルはGen 2(第2世代)となりますが、外観デザインはGen 1をほぼ踏襲しています。そのため、近年の狭額縁(ナローベゼル)化が進むタブレットPC市場と比較すると、画面周りの黒い枠(ベゼル)が太く感じられるという声があります。
「2024年のタブレットとしてはベゼルが大きく、画面解像度もそこまで高くない」といった指摘もあり、最新ガジェットとしてのスタイリッシュさを求めるユーザーには少々古風に映る可能性があります。
競合モデルとの比較とおすすめユーザー

| パーツ | スペック |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| CPU | インテル Core Ultra 5 プロセッサー 134U vPro |
| メモリ | 16GB LPDDR5X-7500MT/s |
| ストレージ | 256GB SSD M.2 |
| ディスプレイ | 12.3型 (1920 x 1280) |
Surface Proシリーズなど他社タブレットPCとの違い
最大の競合となるのはMicrosoftのSurface Proシリーズです。Surface Proはデザインが洗練されており、解像度やリフレッシュレートが高い傾向にあります。
一方でThinkPad X12 Detachable Gen 2の強みは、以下の点にあります。
- キーボードの打ちやすさ: トラックポイントの存在とThinkPad譲りのキータッチ。
- 保守性と堅牢性: 現場でのラフな使用に耐えるMILスペック準拠と、ThinkPad独自のサポート体制。
- アーキテクチャ: Surface Proの一部モデルがARMベースのCPUを採用しアプリ互換性に注意が必要な中、本機はx86ベースのCore Ultraを採用しており、既存のWindowsアプリが問題なく動作する安心感があります。
ThinkPad X12 Detachable Gen 2はどのようなビジネス用途に向いているか
以上の特徴から、このモデルは以下のようなユーザーに最適です。
- 移動の多いビジネスマン: 軽さを重視しつつ、出先でもメール返信や資料修正を快適に行いたい方。
- 現場作業や点検業務: 立ったままでの操作(タブレットモード)と報告書作成(ラップトップモード)を1台で完結させたい方。
- ThinkPadユーザーのサブ機: 普段メインでThinkPadを使っており、トラックポイントの操作感を変えずに持ち運び用端末を導入したい方。
エンターテインメントやクリエイティブ用途よりも、質実剛健な「仕事の道具」としてのタブレットPCを求める方に適した一台と言えます。
