「新しいゲーミングPCやグラボが欲しいけど、『Radeonはやめとけ』って口コミを見て不安…」
そんなふうに購入を迷っていませんか?
ネット上には色々な意見がありますが、実はRadeonが「絶対に買ってはいけないダメな製品」というわけではありません。ただ、「得意なこと」と「苦手なこと」がハッキリしているため、自分の用途と合わない選び方をしてしまうと「思っていたのと違う」と後悔してしまう可能性があるのです。
この記事では、なぜ「やめとけ」と言われるのかの理由から、ライバルであるGeForceとの決定的な違い、そしてRadeonを選ぶメリットまでをフラットな視点で解説します。自分に合ったパーツ選びの参考にしてくださいね。
なぜ「Radeonはやめとけ」と言われるのか?主な4つの理由

火のない所に煙は立たないと言いますが、なぜこれほどまでに「Radeonはやめとけ」と言われてしまうのでしょうか。これには、技術的な側面と過去の評判が大きく関わっています。まずはネガティブな意見の根拠を詳しく見ていきましょう。
レイトレーシング性能でライバル(GeForce)に遅れをとっている
現在のPCゲームにおける映像表現のトレンドの一つに「レイトレーシング」があります。これは光の反射や影、水面の映り込みなどをリアルタイムに計算して描画する技術ですが、この処理に関してはGeForceが先行しています。
Radeonも最新モデルでは対応していますが、レイトレーシングをONにするとフレームレート(映像の滑らかさ)が大きく落ち込みやすい傾向にあります。「最新のAAAタイトルを、最高峰の映像美でカクつくことなく楽しみたい」というハイエンド志向の人にとって、この性能差は「やめとけ」と言われる要因の一つです。
過去のドライバ不具合による「不安定」というイメージ
PCパーツに詳しい古くからのユーザーの間では、「Radeon=ドライバ(制御ソフト)が不安定」というイメージが強く残っています。
かつてはゲーム中に画面がブラックアウトしたり、ソフトが突然クラッシュしたりする不具合が散見された時期がありました。現在はアップデートによりかなり改善され、一般的なプレイで困ることは少なくなりましたが、一度ついた「相性問題が起きやすい」「不安定」というレッテルは簡単には消えません。このため、初心者に勧めにくい理由として今でも挙げられがちです。
AI画像生成やクリエイティブソフトへの対応状況
最近流行している「Stable Diffusion」などのAI画像生成や、高度な動画編集ソフトの多くは、GeForce(CUDAコア)に最適化されていることがほとんどです。
もちろんRadeonでもこれらを使う方法はありますが、設定手順が複雑だったり、処理速度で不利になったりするケースが少なくありません。「ゲームもしたいけど、AI生成イラストやクリエイティブな作業も快適にこなしたい」という場合、環境構築のハードルが高いRadeonは敬遠される傾向にあります。
トラブルシューティングの情報量が圧倒的に少ない
ここが初心者にとって一番のネックかもしれません。市場シェアの比率で見ると、どうしてもGeForceユーザーのほうが多いのが現状です。
ユーザーが多いということは、何かトラブルが起きたときにネットで検索して出てくる解決策の情報量も多いということ。逆にRadeonは情報が相対的に少ないため、エラーが出たときに自力で解決策を探すのが難しく、「無難にみんなが使っている方を選んでおけ」というアドバイスに繋がります。
RadeonとGeForceの決定的な違いを比較

では、具体的に機能面ではどのような違いがあるのでしょうか。単純な「性能の良し悪し」だけでなく、特徴の違いとして4つのポイントを比較します。
アップスケーリング技術(DLSSとFSR)の画質差
ゲームの画質を保ちつつ動作を軽くする「アップスケーリング技術」。GeForceは「DLSS」、Radeonは「FSR」という技術を使っています。
どちらも優秀な技術ですが、AI専用のコアを使って処理するDLSS(GeForce)の方が、画質の劣化が少なくクッキリ見えると評価されることが多いです。FSR(Radeon)は汎用性が高く多くの環境で使えるものの、動きの激しいシーンなどで画質の粗さが目立つ場合があり、映像品質に徹底的にこだわる層からは差を指摘されています。
同価格帯におけるビデオメモリ(VRAM)容量の違い
ここはRadeonが明確に優れているポイントです。同じ価格帯の製品を比べた場合、Radeonの方がビデオメモリ(VRAM)を多く搭載している製品が多い傾向があります。
最近のゲームは高解像度化や高精細なテクスチャの使用に伴い、大量のメモリを消費します。VRAMが不足すると動作がカクつく原因になるため、「予算は限られているけれど、メモリ不足によるカクつきは避けたい」という場合には、Radeonの容量の多さが大きな武器になります。
消費電力とワットパフォーマンスの傾向
世代やグレードにもよりますが、近年の傾向として「電力効率(ワットパフォーマンス)」はGeForceに分があることが多いです。
同じくらいの性能を出そうとしたとき、Radeonの方がやや消費電力が高くなりやすい傾向が見られます。消費電力が高いと発熱も増えるため、PCケース内の冷却ファンの回転数が上がって音が大きくなったり、容量の大きな電源ユニットが必要になったりします。長期的な電気代や静音性を気にする人にとってはチェックすべきポイントです。
リセールバリュー(再販価格)の安定性
将来的にパーツを買い替える際、古いパーツを中古ショップやフリマアプリで売ることを考えているなら、ここは重要です。
知名度と需要が高いGeForceは、中古市場でも値崩れしにくい傾向があります。一方、Radeonは需要が限定的であるため、買取価格が下がりやすいのが実情です。「使わなくなったら高く売って、次のパーツの資金にしたい」と考えている場合、GeForceの方が資産価値を保ちやすいと言えます。
「やめとけ」を覆すRadeonならではの強みと魅力

ここまでネガティブな面にも触れてきましたが、それでもRadeonを愛用するユーザーはたくさんいます。それは「やめとけ」という声を覆すだけの明確なメリットがあるからです。
純粋な描画処理(ラスタライズ)におけるコストパフォーマンス
レイトレーシングなどの付加機能を抜きにした、昔ながらの「純粋な描画性能(ラスタライズ性能)」だけで見ると、Radeonのコストパフォーマンスは非常に優秀です。
同等の描画能力を持つ製品同士で価格を比べると、Radeonの方が安く手に入ることが多くあります。「レイトレなどのリッチな機能は使わないから、とにかく安くFPS(フレームレート)を稼ぎたい」というゲーマーにとっては、お財布に優しい最強の選択肢になり得ます。
全ゲーム対応のフレーム生成機能「AFMF」の優位性
Radeonには「AFMF(AMD Fluid Motion Frames)」という独自のフレーム生成機能があります。これは、ゲーム側が対応していなくても、ドライバ側で強制的にフレーム(コマ)を生成して映像を滑らかにする技術です。
GeForceのフレーム生成機能はゲーム側が対応していないと使えませんが、AFMFはほぼすべてのゲーム(DirectX 11/12対応)で使えます。少し古いゲームや、対応予定のないインディーズゲームでもヌルヌル動かせるのは、Radeonユーザーだけの特権です。
設定ソフトウェア「Adrenalin Edition」の使いやすさ
地味ですが評価が高いのが、設定ソフト「AMD Software: Adrenalin Edition」の使い勝手です。
Radeonをおすすめしない人・おすすめな人

ここまでの内容を踏まえて、Radeonを選ぶべきかどうかの結論をまとめました。自分がどちらに当てはまるかチェックしてみてください。
Radeonを選んではいけないユーザー(AI・配信・最高画質重視)
以下のような目的がメインなら、素直にGeForceを選んだほうが幸せになれます。
- AI画像生成をガッツリやりたい: 情報量と処理速度でGeForceが圧倒的に有利です。
- レイトレーシングで最高の映像体験をしたい: 映像美を追求するならGeForceの技術力が勝ります。
- トラブルは極力避けたい初心者: 何かあったときに検索ですぐ答えが見つかる安心感はGeForceにあります。
Radeonを選ぶべきユーザー(FPS値重視・予算・自作玄人)
逆に、以下のような考えを持っているなら、Radeonは最高の相棒になるでしょう。
- とにかくコスパ重視でFPSを稼ぎたい: 同じ予算なら、Radeonの方が描画性能が高いケースが多いです。
- レイトレには興味がない: 競技性の高いFPSゲームなど、画質設定を下げてプレイするスタイルならRadeonの弱点は気になりません。
- AFMFで色々なゲームを滑らかにしたい: 古いゲームやマイナーなゲームも滑らかに遊びたい人には最適です。
まとめ:自分のプレイスタイルに合わせて賢い選択を
「Radeonはやめとけ」という言葉は、あくまで「万人に無難におすすめできるのはGeForce」という意味合いが強く、Radeonそのものが悪い製品というわけではありません。
自分の遊びたいゲームや用途がハッキリしていて、それがRadeonの得意分野と重なるのであれば、周囲の評判を気にする必要はありません。むしろ、賢く安く快適な環境を手に入れるチャンスでもあります。
ネットの噂だけに流されず、自分のプレイスタイルに合った「賢い選択」をして、理想のPC環境を手に入れてくださいね。
