マウスコンピューターのゲーミングブランド「NEXTGEAR」から、AMDの最新アーキテクチャRDNA 4を採用した注目モデル「NEXTGEAR JG-A7A70」が登場しました。
本機は、最新GPU「Radeon RX 9070」を搭載しながら、CPUをAM4プラットフォームの「Ryzen 7 5700X」に抑えることで、22万円台(税込)という衝撃的な価格を実現しています。一見すると「最新GPUに旧世代CPU?」とアンバランスに感じるかもしれませんが、実は「4KゲーミングやAI生成を安価に楽しみたい」という層には、極めて理にかなった構成です。
この記事では、NEXTGEAR JG-A7A70の実機スペックや特徴を深掘りし、RTX 50シリーズ搭載のライバル機との比較も交えながら、「本当に買いなのか?」を徹底レビューします。
NEXTGEAR JG-A7A70の特徴とスペック詳細
主要スペック一覧

| パーツ | スペック |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| CPU | AMD Ryzen 7 5700X プロセッサ |
| グラフィックス | AMD RADEON RX 9070 |
| メモリ | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
| ストレージ | 1TB (NVMe Gen4×4) |
| 保証期間 | 3年間センドバック修理保証・24時間×365日電話サポート |
NEXTGEAR JG-A7A70は、コストパフォーマンスを最優先しつつも、ゲーミング性能の要となるGPUには妥協しない「一点突破型」の構成が特徴です。
最新GPU「Radeon RX 9070」の性能とVRAM 16GBの強み
本機の最大の目玉は、AMDの最新グラフィックス「Radeon RX 9070」です。 RDNA 4アーキテクチャを採用したこのGPUは、前世代(RX 7000シリーズ)からレイトレーシング性能とAI処理能力が大幅に強化されています。
- VRAM 16GBの余裕: 昨今の重量級ゲーム(モンハンワイルズなど)や、ローカルLLM(AI)の動作において、ビデオメモリ(VRAM)の容量は死活問題です。競合のミドルハイ帯が12GBに留まるケースが多い中、16GBを標準搭載している点は、高解像度プレイ時の安定感やクリエイティブ用途で圧倒的なアドバンテージとなります。
- 実用的な4K性能: ネイティブ4Kは厳しくとも、後述するFSR4を活用することで、4K解像度でも快適なフレームレートを維持できるポテンシャルを持っています。
CPUは「Ryzen 7 5700X」が標準|上位モデル(9800X3D)との違い
価格を抑えるために採用されたのが、Socket AM4の名機「Ryzen 7 5700X」です。
- Ryzen 7 5700X(標準搭載): 発売から時間は経過していますが、8コア16スレッドの処理能力は健在。ゲームプレイにおいてGPUの足を引っ張る(ボトルネックになる)シーンは限定的で、動画編集などのマルチタスクも十分にこなせます。何より、DDR4メモリと安価なマザーボードを組み合わせられるため、PC本体価格の引き下げに大きく貢献しています。
- Ryzen 7 9800X3D(上位カスタマイズ): 最新のSocket AM5環境で最強のゲーミングCPUを使いたい場合は、カスタマイズモデルや上位の型番を選ぶ必要があります。ただし、価格は数万円単位で跳ね上がるため、「予算25万円以下」を目指すなら5700Xが最適解です。
NEXTGEAR JG-A7A70のゲーミング性能・ベンチマーク評価
FSR4活用時のフレームレート(Apex・Valorant・モンハン)
RDNA 4世代の大きな武器が、AIを活用した超解像技術「FSR4(FidelityFX Super Resolution 4)」です。
- Apex Legends / Valorant: これらの競技系タイトルでは、RX 9070のパワーはオーバースペック気味です。フルHD~WQHD環境であれば、FSRを使わずとも上限張り付き(240fps~)の安定したプレイが可能です。5700Xのシングルコア性能も十分足りています。
- モンスターハンター(最新作): 非常に重いタイトルですが、FSR4を「クオリティ」または「バランス」設定にすることで、4K解像度でも60fps以上をキープ可能。VRAM 16GBのおかげで、高画質テクスチャ設定でもカクつき(スタッター)が起きにくいのが強みです。
クリエイティブ性能とAI処理能力(RDNA 4アーキテクチャ)
RX 9070はゲームだけでなく、クリエイティブ用途でも進化しています。
- AI画像生成: 第2世代AIアクセラレータにより、Stable Diffusionなどの画像生成AIの処理速度が向上しています。特にVRAM 16GBは、高解像度の生成やLoRAの複数読み込みにおいて、エラー落ちを防ぐための重要なリソースとなります。
- 動画編集: AV1エンコードに対応しており、高画質な実況動画の配信や録画が可能です。
Ryzen 7 5700Xによるボトルネックの影響はあるか?
「最新GPUに旧世代CPUで大丈夫?」という懸念については、「フルHD・低画質設定で300fps以上を狙う」ような極端なシーンを除けば、ほぼ問題ありません。
特にWQHD(2560×1440)や4K解像度でプレイする場合、負荷はGPU側に集中するため、CPU世代の古さはフレームレートにほとんど影響しなくなります。コストを抑えて高画質グラフィックを楽しみたいユーザーにとって、5700Xは依然として賢い選択です。
NEXTGEAR JG-A7A70の評判・口コミ(メリット・デメリット)
良い評判:22万円台で買える圧倒的なコストパフォーマンス
- 「この価格でVRAM 16GBは貴重」:競合のNVIDIA製GPU搭載機が、同価格帯でVRAM 12GBに留まることが多い中、16GBを確保できる点は高く評価されています。
- 「見た目がカッコいい」:NEXTGEAR専用のミニタワーケースは、フロントの「クロスデザイン」とマゼンタのアクセントカラーが特徴。標準でガラスパネルとLEDファンが搭載されており、追加投資なしで「映える」PCが手に入ります。
- 「水冷クーラー標準搭載が嬉しい」:発熱が比較的穏やかな5700Xに対し、贅沢にも240mm水冷クーラーを採用しているため、静音性は非常に優秀です。
気になる評判:DDR4メモリ採用とAM4プラットフォームの将来性
- 「将来のアップグレードパスが狭い」:マザーボードがSocket AM4(DDR4メモリ)ベースであるため、数年後に最新のRyzen 9000/10000シリーズ等へCPUだけ交換することはできません(マザーボードとメモリの総入れ替えが必要)。
- 「メモリ速度」:DDR5メモリ搭載機に比べると帯域幅で劣りますが、実ゲームプレイでの体感差は数%程度に収まることがほとんどです。
ケースデザインと冷却性能(静音性・メンテナンス性)
ケーストップ(天面)にアクセスしやすいインターフェース(USB Type-C含む)があり、床置きユーザーに好評です。また、トップとボトムには着脱可能なダストフィルターがあり、メンテナンス性も考慮されています。
冷却面では、フロントから吸気し、トップの水冷ラジエーターとリアファンで排気する理想的なエアフローが構築されています。
ライバル機種との比較|RTX 50シリーズ搭載機との違い
旧モデル(RTX 4070 SUPER搭載機)からの進化点
旧世代のRTX 4070 SUPER搭載機と比較すると、RX 9070搭載機は「ネイティブ性能の底上げ」と「AI処理の効率化」が見られます。特にFSR4のフレーム生成技術は、NVIDIAのDLSS 3に対抗できるレベルまで画質が向上しており、AMD環境の弱点が克服されつつあります。
あなたにおすすめなのはどっち?(AMD派 vs NVIDIA派)
- NEXTGEAR JG-A7A70 (AMD RX 9070) がおすすめな人
- とにかくVRAM容量(16GB)が欲しい。
- AI画像生成をローカルでガッツリやりたい(VRAM重視)。
- ラスタライズ性能(レイトレを使わない純粋な描画性能)に対するコスパを重視する。
- RTX 50シリーズ搭載機がおすすめな人
- レイトレーシングを最高設定で遊びたい。
- 業界標準のDLSSを使いたい。
- 配信ソフトや特定のクリエイティブソフトでNVIDIA最適化機能を使いたい。
まとめ:NEXTGEAR JG-A7A70はどんな人におすすめ?

| パーツ | スペック |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| CPU | AMD Ryzen 7 5700X プロセッサ |
| グラフィックス | AMD RADEON RX 9070 |
| メモリ | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
| ストレージ | 1TB (NVMe Gen4×4) |
| 保証期間 | 3年間センドバック修理保証・24時間×365日電話サポート |
NEXTGEAR JG-A7A70は、枯れた技術でコストを抑えたCPU周りと、最新鋭のGPUを組み合わせた「実用性重視の質実剛健なゲーミングPC」です。
このPCがおすすめな人:
- 予算23万円以内で、長く戦えるVRAM 16GB搭載機が欲しい人
- 4KゲーミングやAI生成に入門したいが、30万円は出せない人
- 見た目の良いケースと水冷クーラーによる静音性を重視する人
最新パーツですべてを固めるのではなく、「必要な部分(GPU)」に予算を全振りした本機は、賢いゲーマーにとって非常に満足度の高い一台となるでしょう。
