パソコンを使って楽曲制作を行うDTMの登場以降、プロの作曲家だけでなく特別な知識を持たない一般の人たちでも音楽を作ることが可能になりました。特にこの流れが加速したのはVOCALOID2の発売以降で、動画投稿サイトなどを通じて多くの人たちがオリジナル楽曲を公開するようになりました。
DTMとは?
DTMとはDesk Top Music(デスクトップミュージック)の略で、パソコンを使用して音楽を作成編集する事の総称です。
DTP(デスクトップパブリッシング)をもじって作られた和製英語で、海外ではコンピューターミュージックと呼ばれています。
「楽器が演奏出来なくても、マウス操作で作曲が出来る」「楽器を弾ける方は演奏の録音や編集が簡単に出来る」等DTMを使えば誰でも自分のスタイルで音楽を楽しむ事が出来ます。
そうはいっても、やはり全くの素人にとって楽曲制作は敷居が高い部分があるのは事実です。やってみようと思ってDTMの入門書を買って、ソフトの使い方は理解したのだけれど肝心の作曲の仕方がわかりません。私が初めてDTMに挑戦した時まさにこの状況に陥りました。そもそも、作曲のやり方など学校の授業では習いませんし、多くのDTMの入門書には作曲について簡素な説明しか記載されていません。
そこで今回はこれからDTMを始めたい!という方向けに、最低限知っておきたい作曲の知識を得るのに最適な入門書をご紹介します。
よくわかる作曲の教科書
- 作者: 秋山公良
- 出版社/メーカー: ヤマハミュージックメディア
- 発売日: 2009/12/23
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 74回
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知識ゼロの素人を、とりあえず曲が作れるレベルまで引き上げてくれるのがこちらの教本。表題に「教科書」とありますが中身は堅い内容ではなく、図や挿絵を交えてできる限り丁寧に書かれた作曲初心者のバイブルともいえる内容になっています。
多くの作曲書の中でも特に「作る」ことに重点が置かれており、このようにすれば音楽を作ることができるという実践的な作曲法が説明されているのが本書の特徴。種類がいろいろあってどれを買ったらいいのかよくわからないという人はまずこの本がおすすめ。
聴くだけ作曲入門
- 作者: 藤巻浩
- 出版社/メーカー: ヤマハミュージックメディア
- 発売日: 2015/02/21
- メディア: 単行本
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付属のCDによる解説を聞くだけで作曲の基礎が学べるという非常に画期的な入門書。音楽を学ぶのですから実際に音を聞きながら勉強した方が効率的なのは言うまでもありません。そう言った点からも音楽という学問の特性を生かした良書と言えます。もちろん音楽の仕組みや基礎知識から入っているので初心者でも安心。
まるで音大の講義を受けているかのような作者の語り口に加え、素人がまず何に悩んでいるのかということを考慮に入れた上での親切で丁寧な内容が光る一冊。
楽しく学べる作詞・作曲
- 作者: 野口義修
- 出版社/メーカー: ナツメ社
- 発売日: 2010/02/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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作曲だけでなくVOCALOIDでのボーカル制作も考えられている方におすすめなのがこちらの本。作曲だけでなく、作詞の分野も含めて初心者が楽しく音楽を学ぶことを目的として作られた内容となっています。特に作詞の入門書はあまり出ていないので作詞も視野に入れている方には貴重な一冊。
本書は段階を踏んで教えるという点が徹底されており、初学者の方にとにかく楽しく音楽に親しんでもらいたいという作者の熱意が光る内容構成が◎。
いちばんやさしい楽譜の読み方
CD付 いちばんやさしい楽譜の読み方-イラスト解説で見てわかる! (CD BOOK)
- 作者: 小林一夫
- 出版社/メーカー: 池田書店
- 発売日: 2010/04/25
- メディア: 単行本
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まずは楽譜や音楽記号が読めるようになりたい!という方のためにこちらの本。今までにご紹介した本の中にももちろん楽譜などの基礎知識の説明はありますが、こちらの本は本当に基礎中の基礎の音楽理論に絞って学んでいきましょうという内容。
五線譜を見た瞬間に挫折してしまうという方や、作曲をやるからにはまずは音楽の基礎知識を固めておきたいという方におすすめです。
ボーカロイドで作曲入門
- 作者: 岩井悠,大室渓
- 出版社/メーカー: 工学社
- 発売日: 2012/02/17
- メディア: 単行本
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ってかもうVOCALOID買っちゃったんだけど……という方や、過去にボカロやろうとして挫折したという方に超おすすめなのがこちらの本。せっかく良いソフトを持ってるんだからそれを使って作曲を学んでみましょう。コード?オクターブ?という方でも理解できるような内容に仕上がっていますし、ソフトの使い方も学ぶことができて一石二鳥です。実践的な内容が、あなたのモチベーション維持にも一役買ってくれることでしょう。
いかがでしたか?DTMはとても楽しく、魅力的な分野である反面実際にやってみると意外と分かりにくくどうしても挫折しやすい部分がありますが、それはやはり作曲や音楽理論の知識の不足からくるものだと思われます。最初から高いソフトをそろえる前に、まずは音楽の世界の魅力に触れてみませんか?