TSUKUMOのゲーミングPCブランドG-GEARから、ミドルハイクラスにおける新たなスタンダードとも言える「GE7A-D257/B」が登場しました。ゲーミング性能に特化したAMD Ryzen 7 9800X3Dと、最新規格GDDR7メモリを採用したNVIDIA GeForce RTX 5060 Ti (16GB)を組み合わせた本機は、次世代のゲーム環境を求めるユーザーの間で大きな注目を集めています。
本記事では、公開されている詳細スペックと採用パーツの信頼性を徹底的に分析。実際のゲームプレイでどのような体験が得られるのか、そのコストパフォーマンスは適正か、フラットな視点で評価します。
G-GEAR GE7A-D257/Bの主なスペックと特徴
主要スペック一覧

| パーツ | スペック |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| CPU | AMD Ryzen 7 9800X3D |
| グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti |
| メモリ | 32GB (16GBx2枚) DDR5-5600 |
| ストレージ | 1TB SSD (M.2規格 / NVMe Gen4接続) |
BTOパソコンを選ぶ際、最も重要なのは「主要パーツの世代」と「信頼性」です。GE7A-D257/Bは、TSUKUMOが得意とする質実剛健な構成に加え、現在のトレンドであるVRAM大容量化と高速メモリ規格を的確に押さえています。
ゲーム特化の最強CPU「Ryzen 7 9800X3D」を搭載
本モデルの最大の核となるのが、AMDの「Ryzen 7 9800X3D」プロセッサです。Zen 5アーキテクチャを採用し、第2世代となるAMD 3D V-Cacheテクノロジーを搭載することで、L2+L3キャッシュ合計104MBという圧倒的な容量を実現しています。
この大容量キャッシュは、特にFPSやMMORPGなどのゲームタイトルにおいて、フレームレートの安定性と向上に直結します。マルチコア性能も8コア16スレッド、最大ブーストクロック5.2GHzと十分なスペックを持っており、ゲームをしながらの配信やボイスチャットといった並行作業も快適にこなせる処理能力を有しています。
最新GDDR7メモリ採用「GeForce RTX 5060 Ti (16GB)」の性能
グラフィックスカードには、NVIDIAの最新アーキテクチャ「Blackwell」世代のGeForce RTX 5060 Tiを採用しています。特筆すべきは、ビデオメモリに最新規格のGDDR7 16GBを搭載している点です。
従来の60番台グレードでは8GBが一般的でしたが、近年の高画質ゲームはVRAM消費量が増加傾向にあります。16GBの大容量とGDDR7による広帯域幅は、テクスチャ品質を最高設定にしてもメモリ不足によるスタッター(カクつき)を防ぎ、長期間現役で使い続けられる安心感を提供します。また、AI専用プロセッサによる最新のDLSS 4対応も、フレームレートの底上げに大きく寄与します。
ASUS製マザーボード「TUF GAMING B650-PLUS WIFI」の信頼性
システムの土台となるマザーボードには、耐久性に定評のあるASUS製「TUF GAMING B650-PLUS WIFI」を採用しています。BTOパソコンではコストダウンのためにマザーボードのグレードが下げられることもありますが、TSUKUMOはこの点において妥協していません。
軍用グレードのコンポーネント、大型VRMヒートシンクによる冷却性能、そして重量級グラフィックスカードを支える高耐久スロットは、長時間のゲームプレイにおけるシステムの安定性を保証します。USB 3.2 Gen2x2 Type-CポートやM.2ヒートシンクも標準装備されており、将来的な拡張性も確保されています。
DDR5-5600メモリとGen4 NVMe SSDによる高速環境
メインメモリには、最新のDDR5-5600規格を32GB(16GB×2)標準搭載しています。メジャーチップを採用したセンチュリーマイクロ製などの高品質メモリを選定する傾向にあるG-GEARらしく、相性問題の少ない安定した動作が期待できます。
ストレージは1TBのNVMe Gen4 SSDを搭載。ゲームのロード時間短縮はもちろん、Windows 11の起動やファイルのコピーも高速です。マザーボードにはM.2スロットの空きがあるため、将来的にゲームタイトルが増えた際の増設も容易な構成となっています。
ゲーミングパフォーマンスと用途別の評価

Ryzen 7 9800X3DとRTX 5060 Ti (16GB)の組み合わせは、実際の利用シーンでどのような恩恵をもたらすのでしょうか。想定されるパフォーマンスを用途別に分析します。
最新ゲームタイトルにおける快適さとフレームレートの期待値
この構成は、フルHD(1920×1080)環境において「高リフレッシュレート」を維持し続けることに特化しています。競技性の高いFPSタイトルでは、CPUの3D V-Cache効果により、最低フレームレートが底上げされ、乱戦時でも滑らかな描画が期待できます。
また、重量級のオープンワールドRPGにおいても、DLSS 4のフレーム生成技術を活用することで、高画質設定のまま高いフレームレートを維持することが可能です。CPUとGPUのバランスが良く、ボトルネックが発生しにくい構成と言えます。
16GB VRAMを活かした高解像度プレイとクリエイティブ性能
搭載されるRTX 5060 Tiが16GBのVRAMを持っていることは、WQHD(2560×1440)解像度でのプレイにおいて大きなアドバンテージとなります。高解像度テクスチャパックを導入したり、MODを多用したりする場合でも、メモリ容量の余裕がパフォーマンス低下を防ぎます。
また、このVRAM容量はゲームだけでなく、動画編集や3Dレンダリング、AI画像生成などのクリエイティブ用途でも威力を発揮します。「ゲームもしたいが、生成AIや動画制作にも挑戦したい」というユーザーにとって、非常に汎用性の高いスペックです。
Wi-Fi 6と2.5Gb LANによる安定したネットワーク環境
オンラインゲームにおいて回線品質は勝敗を分ける要素です。本機は2.5Gbイーサネットポートを搭載しており、対応ルーターと組み合わせることで高速かつ低遅延な有線接続が可能です。
無線環境においてもWi-Fi 6に対応しているため、自室へLANケーブルを引くのが難しい環境でも、安定した通信速度でダウンロードやプレイが可能です。Bluetooth 5.2も標準搭載しており、ワイヤレスコントローラーやヘッドセットの接続もスムーズに行えます。
ケースデザインと冷却・静音設計

G-GEARの評価を支えているのが、ロングセラーとなっているオリジナルケース(66JD)の存在です。見た目の派手さよりも実用性を重視した設計について解説します。
拡張性と通気性に優れたG-GEARプレミアムミドルタワーケース
採用されている「G-GEARプレミアムミドルタワーケース」は、フロントパネル全体がメッシュ構造となっており、外気を大量に取り込める設計です。昨今の発熱量の多いパーツを冷却するために理想的なエアフローを実現しています。
内部スペースは広く確保されており、最大300mm超の大型グラフィックスカードも搭載可能。メンテナンス性も高く、サイドパネルを開けるだけで簡単に内部の清掃やパーツ交換が行えます。デザインはシンプルで無骨ですが、飽きのこない質実剛健なスタイルは多くのユーザーから支持されています。
長時間のプレイを支えるエアフローと冷却効率
標準構成では、フロントとリアに120mmファンを搭載しており、前方から吸気し後方へ排気するストレートなエアフローが確立されています。これにより、CPUやGPUの熱がケース内に滞留することを防ぎます。
CPUクーラーには空冷式が採用されていますが、Ryzen 7 9800X3Dは電力効率に優れているため、適切なエアフローがあれば十分冷却可能です。より静音性を高めたい場合は、カスタマイズでNoctua製クーラーなどを選択するのも有効な手段です。
ATX3.1準拠 CWT製750W GOLD電源の安全性
電源ユニットには、CWT製の750W 80PLUS GOLD認証モデルを採用しています。最新のATX 3.1規格に準拠しており、RTX 50シリーズのような瞬間的な電力スパイクが発生するGPUに対しても安定した電力供給が可能です。
CWTは多くの有名ブランドのOEM元としても知られるメーカーであり、信頼性は十分です。750Wという容量は、今回の構成に対して十分なマージンがあり、将来的にパーツをアップグレードする際にも電源を買い替える必要性が低いというメリットがあります。
価格設定とおすすめのカスタマイズ

標準構成価格は279,800円(税込)となっています。この価格設定と、購入時に検討すべきカスタマイズポイントについて考察します。
最新パーツ搭載モデルとしてのコストパフォーマンス
Ryzen 7 9800X3DとGDDR7版RTX 5060 Ti 16GBという、市場に出たばかりの最新パーツを搭載し、さらに高品質なASUS製マザーボードや信頼性の高い電源を採用しての27万円台は、非常に競争力が高いと言えます。
他社BTOメーカーではマザーボードや電源のグレードを落として安く見せる手法も見られますが、TSUKUMOは主要パーツの型番を明記し、品質を担保しています。長期的な故障リスクや拡張性を考慮すれば、この価格は決して割高ではなく、むしろコストパフォーマンスに優れた「長く使える一台」と評価できます。
BTOで検討すべきオプションと構成変更のポイント
標準構成で完成度は高いですが、用途に合わせて以下のカスタマイズを検討することをおすすめします。
- CPUクーラー: 静音性を重視する場合や、夏場の室温が高い環境では、冷却性能の高いサイドフロー型(Noctua等)への変更が推奨されます。
- ストレージ増設: 最近のゲームは1本で100GBを超えることも珍しくありません。予算に余裕があれば、2ndストレージとして2TB程度のSSDを追加しておくと、容量不足の心配がなくなります。
- OSエディション: 仕事でも使用し、リモートデスクトップやBitLockerなどの機能が必要な場合は、Windows 11 Proへの変更が必要です。
まとめ:G-GEAR GE7A-D257/Bはどんなユーザーにおすすめか

| パーツ | スペック |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| CPU | AMD Ryzen 7 9800X3D |
| グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti |
| メモリ | 32GB (16GBx2枚) DDR5-5600 |
| ストレージ | 1TB SSD (M.2規格 / NVMe Gen4接続) |
G-GEAR GE7A-D257/Bは、単に「ゲームが動くPC」ではなく、「最新のゲーム体験を妥協なく楽しむためのPC」です。
- FPSゲーマー: 3D V-Cache搭載CPUによる高フレームレート環境を求める人。
- 画質重視派: 16GBのVRAMを活かし、WQHD環境でリッチなグラフィックスを楽しみたい人。
- 長期利用者: 最新規格(GDDR7、ATX3.1、PCIe 5.0対応マザー)を押さえた構成で、3〜4年以上快適に使いたい人。
派手なLEDライティングよりも、中身のパーツ品質と安定性を重視するユーザーにとって、本機は間違いなく有力な選択肢となるでしょう。最新テクノロジーが詰まったこの一台は、あなたのゲーミングライフを次のレベルへと引き上げてくれるはずです。
