マウスコンピューターのクリエイター向けブランド「DAIV」から発売されている「DAIV KM-I7A60」。第14世代インテル Core i7-14700FとRadeon RX 7600を搭載し、高い処理能力とコストパフォーマンスを両立させたミニタワーデスクトップPCです。
「動画編集やイラスト制作を快適に行いたいけれど、デスクの場所はあまり取りたくない」というクリエイターから注目を集めています。この記事では、詳細スペック情報に基づき、その特徴やクリエイティブ性能を客観的な視点で詳しく解説します。
DAIV KM-I7A60の主な特徴とスペック分析
主要スペック一覧

| パーツ | スペック |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| CPU | インテル Core i7 プロセッサー 14700F |
| グラフィックス | AMD Radeon RX 7600 |
| メモリ | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
| ストレージ | 1TB (NVMe Gen4×4) |
| 保証期間 | 3年間センドバック修理保証・24時間×365日電話サポート |
クリエイティブな作業において、パソコンのスペック選びは非常に重要です。まずはDAIV KM-I7A60の心臓部となる主要パーツの構成と、筐体の特徴について詳しく見ていきましょう。
第14世代インテル Core i7-14700Fプロセッサーの処理性能
本モデルに搭載されている「インテル Core i7-14700F プロセッサー」は、高性能なPコアと高効率なEコアを組み合わせたハイブリッド・アーキテクチャを採用しています。コア数は合計20コア(Pコア8、Eコア12)、スレッド数は28スレッドに達しており、前世代と比較してもマルチタスク性能が強化されています。
この高い処理能力は、CPUパワーが重要視される動画のエンコード(書き出し)作業や、レイヤーを何枚も重ねた高解像度の画像編集などで威力を発揮します。複数のアプリケーションを同時に立ち上げて作業する際も、動作のもたつきを感じにくく、スムーズな制作環境を提供してくれるでしょう。
1080p環境に最適なAMD Radeon RX 7600グラフィックス
グラフィックスカードには「AMD Radeon RX 7600」が採用されています。ビデオメモリ(VRAM)を8GB搭載しており、特に1080p(フルHD)解像度での動画編集や、イラスト・漫画制作ソフトの描画処理を快適にするために十分な性能を持っています。
デスクに設置しやすいミニタワー筐体とエアフロー設計
DAIV KMシリーズの筐体は、フルタワーモデルの使いやすさを受け継ぎつつ、コンパクト化したミニタワーサイズ(幅約215mm×奥行き約490mm×高さ約381mm ※突起物含む)である点が大きな特徴です。デスクの上や足元に置いても圧迫感が少なく、限られた作業スペースを有効活用できます。
冷却性能にも配慮されており、底面や側面から外気を取り込み、背面と上部から熱を逃がす効率的なエアフロー設計がなされています。また、本体上部(フロント上側)には電源ボタンやUSBポートなどのインターフェースが集約されており、スライド式カバーでホコリの侵入を防げるなど、毎日の使い勝手を考えた工夫が見られます。
クリエイティブ作業における快適性と適性

スペックの数値だけでなく、実際の制作現場でどのような快適性が期待できるのか、具体的な作業シーンを想定して解説します。
動画編集やイラスト制作におけるパフォーマンス予測
Core i7-14700Fの高い演算能力とRadeon RX 7600の組み合わせは、YouTube向けのフルHD動画編集や、Photoshop、Clip Studio Paintなどを使用したイラスト制作において、非常に快適なパフォーマンスが期待できます。
カット編集、テロップ入れ、色調補正といった一般的な動画編集作業であれば、プレビューのカクつきも少なくスムーズに進められるでしょう。ただし、4K動画の複雑な編集や、高度な3Dレンダリングを頻繁に行うような作業の場合は、より上位のグラフィックスカードやメモリ容量が必要になる可能性があります。
標準搭載の16GBメモリと1TB NVMe SSDのバランス
メモリは標準で16GB(8GB×2)のDDR5-5600を採用しています。これは現在のクリエイティブPCにおけるスタンダードな容量であり、イラスト制作や標準的な動画編集であれば問題なく動作する水準です。
ストレージには高速なデータ転送が可能な「Gen4×4 NVMe M.2 SSD」を1TB搭載しています。OSやアプリケーションの起動はもちろん、大容量ファイルの読み書きも非常にスピーディーです。1TBあれば、制作中のデータや素材もある程度余裕を持って保存できるため、すぐに容量不足で困ることは少ないでしょう。
高速通信Wi-Fi 6E対応とインターフェースの拡張性
ネットワーク機能として、最新規格の「Wi-Fi 6E」に対応しており、対応ルーターを使用すれば最大2.4Gbpsの高速無線通信が可能です。有線LANケーブルの配線が難しい部屋でも、大容量データのアップロードやダウンロードを快適に行えます。
また、背面には高速データ転送に対応したUSB Type-C(20Gbps)を含む多数のUSBポートを備え、前面(天面)にもアクセスしやすいUSBポートがあります。ペンタブレットや外付けHDD、カードリーダーなどの周辺機器を頻繁に抜き差しするクリエイターにとって、この拡張性の高さは大きな魅力です。
DAIV KM-I7A60を購入するメリットと注意点

総合的に見て、DAIV KM-I7A60はどのような点が優れており、購入時にどこに注意すべきか、メリットとデメリットを整理します。
同価格帯モデルと比較した際のコストパフォーマンス
本モデルの最大のメリットは、20万円台半ば(記事執筆時点)という価格帯で、最新世代のCore i7とミドルレンジGPUを搭載している点にあります。クリエイターPCとして必要な性能をしっかり押さえつつ、過剰なスペックを削ぎ落とすことで、これから本格的に制作を始めたい方や、中級者にとって手が出しやすい価格を実現しています。
特にCPU性能が高いため、グラフィックス性能への依存度がそこまで高くない作業を中心とする場合、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
用途に合わせたカスタマイズの推奨ポイント
注意点としては、標準メモリが16GBであることです。長時間の動画編集や、After Effectsなどでモーショングラフィックスを多用する場合、あるいは複数のアプリを同時に酷使する場合は、メモリ不足になる可能性があります。
予算に少し余裕があれば、購入時のカスタマイズ(BTO)でメモリを32GBに増設することをおすすめします。これにより、作業の安定性がさらに向上し、より長く快適に使用できるようになります。また、動画素材を大量に保存する予定がある場合は、HDDなどのセカンドストレージの追加も検討すると良いでしょう。
DAIV KM-I7A60はどのようなクリエイターにおすすめか

ここまでの分析を踏まえると、DAIV KM-I7A60は以下のようなユーザーに特におすすめです。
- YouTuber・動画編集者:フルHD画質の動画編集がメインで、Premiere Proなどを快適に動かしたい方。
- イラストレーター・漫画家:解像度の高いキャンバスで多数のレイヤーを使用する方。
- 省スペース重視の方:デスクトップの性能は欲しいが、巨大なPCケースを置く場所がない方。
- コスト重視の方:予算を抑えつつ、最新世代のCPUパワーを活かした作業環境を整えたい方。
まとめ:DAIV KM-I7A60の総評

| パーツ | スペック |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| CPU | インテル Core i7 プロセッサー 14700F |
| グラフィックス | AMD Radeon RX 7600 |
| メモリ | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
| ストレージ | 1TB (NVMe Gen4×4) |
| 保証期間 | 3年間センドバック修理保証・24時間×365日電話サポート |
DAIV KM-I7A60は、コンパクトな筐体に強力な第14世代インテル Core i7プロセッサーを詰め込んだ、実用性の高いクリエイター向けパソコンです。AMD Radeon RX 7600の採用により、フルHD環境での作業に最適な性能を発揮し、多くのクリエイターにとって「ちょうど良い」スペックを実現しています。
メモリの増設など、自分の用途に合わせたカスタマイズを行うことで、さらに頼れる相棒となるでしょう。これからクリエイティブな活動を加速させたいと考えている方にとって、有力な候補となる一台です。
