「これから本格的にイラスト制作や動画編集を始めたいけれど、いきなり30万円のパソコンは手が出ない」
「かといって、安すぎて動作が重くなるパソコンだけは絶対に避けたい」
そんなクリエイター入門者の切実な悩みに応えるのが、マウスコンピューターの『DAIV KM-A5G5A』です。手に取りやすい価格ながら、最新規格のRyzenプロセッサーと専用グラフィックスを搭載。プロの現場でも支持されるDAIVブランドの品質を、扱いやすいミニタワーの筐体に凝縮しています。
この記事では、公開されている最新の仕様データをもとに、本機の得意な作業と苦手な作業をフラットな視点で分析。「あなたにとって最適な一台」になるかどうかを解説します。
DAIV KM-A5G5Aの製品概要と結論
主要スペック一覧

| パーツ | スペック |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| CPU | AMD Ryzen 5 7500F プロセッサ |
| グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 3050 |
| メモリ | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
| ストレージ | 1TB (NVMe Gen4×4) |
| 保証期間 | 3年間センドバック修理保証・24時間×365日電話サポート |
17万円台で購入可能なエントリー向けクリエイターモデル
DAIV KM-A5G5Aの最大の魅力は、クリエイター向けPCとしては非常にリーズナブルな価格設定です。一般的に20万円〜30万円が相場となるクリエイターPCの世界において、この価格帯は学生の方や、趣味で制作を始める方にとって強力な選択肢となります。
安さの理由は品質を落としているからではありません。「必要なパーツにはコストをかけ、削れる部分は削る」というメリハリの効いた構成により、コストと性能のバランスが非常に良くとれています。
Ryzen 5 7500FとRTX 3050搭載でコストパフォーマンスを重視
本機がこの価格を実現できている理由は、搭載パーツの絶妙な組み合わせにあります。CPUには、映像出力機能を省くことでコストを下げつつ高い処理能力を持つ「AMD Ryzen 5 7500F」を採用。そこにエントリークラスのGPU「GeForce RTX 3050」を組み合わせることで、クリエイティブ作業に必須のグラフィック性能を確保しています。
無駄を削ぎ落とし、創作活動に必要な部分に予算を集中させた、「賢い構成」と言えるでしょう。
スペックから読み解く処理能力と適性

CPU:AMD Ryzen 5 7500Fのクリエイティブ性能分析
搭載されている「AMD Ryzen 5 7500F プロセッサ」は、6コア12スレッドの最新世代CPUです。特筆すべきは最大クロックが5.00GHzに達する点です。
PhotoshopやClip Studio Paintといったソフトでは、コアの数よりも「シングルの処理速度」が重要になる場面が多くあります。このCPUの高いクロック数は、ブラシの追従性やフィルター処理の速さに直結します。内蔵グラフィックスを持たない純粋な演算用CPUであるため、パソコン全体のパワーを制作作業に集中させることができる設計です。
GPU:GeForce RTX 3050 (6GB) でできる作業の限界
グラフィックスには「NVIDIA GeForce RTX 3050 (6GB)」を採用しています。これはイラスト制作、RAW現像、フルHD解像度の動画カット編集においては十分な性能を発揮します。
一方で、ビデオメモリ(VRAM)が6GBである点には注意が必要です。VRAMを大量に消費する「生成AIによる画像生成」や「大規模な3Dモデリング」、「4K以上の高解像度動画編集」では処理が詰まる可能性があります。あくまで「軽量〜中量級」の作業向けと割り切るのが正解です。
メモリ・ストレージ:DDR5 16GBとGen4 SSD 1TBの快適性
メモリは最新規格のDDR5-5200を16GB(8GB×2)搭載しており、従来のDDR4よりも高速なデータ転送が可能です。ストレージもGen4接続の高速SSDを1TB標準搭載しているため、OSの起動やソフトの立ち上げ、大容量素材の読み込みでもストレスを感じることは少ないでしょう。
ただし、PhotoshopとIllustrator、さらにブラウザを同時に開くなど、複数の重いソフトを並行して使う場合は16GBだとメモリ不足を感じる場面もあるかもしれません。予算に余裕があれば、注文時に32GBへカスタマイズするのもおすすめです。
DAIV KMシリーズ(ミニタワー)の筐体・デザインの評価

吸気口の防塵フィルターなどメンテナンス性への配慮
DAIV KMシリーズのケースは、クリエイターが長く使うことを前提に設計されています。特筆すべきはメンテナンス性です。
ホコリが溜まりやすいケース底面の吸気口には、取り外しと水洗いが可能な防塵フィルターが設置されています。パソコンの大敵であるホコリの侵入を防ぎつつ、掃除が簡単に行える点は、PCの寿命を延ばす上で非常に大きなメリットです。
デスク配置に優れたインターフェースと本体上部の形状
本体サイズは幅約215mm×奥行き約465mmとコンパクトなミニタワー型です。電源ボタンやUSB端子(Type-A×2、Type-C×1)が本体の「上面」に配置されているのが特徴です。
これにより、デスクの足元にパソコンを置いた場合でも、わざわざ屈み込むことなくUSBメモリやスマホを接続できます。また、使用しない時はスライド式カバーで端子を隠せるため、ここでもホコリの侵入を防ぐ工夫がなされています。
DAIV KM-A5G5Aを選ぶメリット

最新のWi-Fi 6Eと2.5G LANによる高速ネットワーク環境
通信環境も最新規格に対応しており、妥協がありません。無線LANは「Wi-Fi 6E」に対応しており、対応ルーターがあれば混雑の少ない6GHz帯を利用可能です。
また、有線LANも一般的な1Gbpsを超える「2.5G LAN」を搭載しています。完成したデータのアップロードや、NAS(ネットワークHDD)への素材バックアップなど、大容量データを扱うクリエイターにとって、このネットワーク速度は大きな時短につながります。
イラスト制作・RAW現像における十分な処理速度
本機が最も輝くのは2D制作の分野です。Webデザイン、イラスト、漫画制作、そして趣味レベルの写真現像であれば、上位機種と比べても遜色ない快適さで作業できます。
「Ryzen 5」の高い基本性能と「RTX 3050」の支援機能により、高解像度のキャンバスでもブラシの遅延やフィルター適用の待ち時間を最小限に抑え、創作活動に没頭できる環境が手に入ります。
購入前に知っておくべきデメリット・注意点

重量級の4K動画編集や3Dレンダリングには力不足の可能性
本機は万能ではありません。特に「4K動画の凝った編集」や「Blenderなどでの本格的な3Dレンダリング」にはパワー不足です。
RTX 3050はエントリー向けGPUであり、これらの作業を行うとプレビューがカクついたり、書き出しに長時間を要したりすることが予想されます。これらの作業をメインにする場合は、より上位の「RTX 4060」以上を搭載したモデルを検討すべきです。
将来的な拡張性と電源容量のバランス
搭載されている電源ユニットは550WのBRONZEクラスです。これは標準構成のままで使う分には全く問題ありませんが、将来的に「もっと高性能なグラフィックボードに交換したい」と思った際に、電力不足で交換できない可能性が高い容量です。
購入後に大幅なパーツアップグレードを予定している方は、購入時のカスタマイズで電源容量を750Wなどに増やしておくことをおすすめします。
DAIV KM-A5G5Aはどのようなユーザーにおすすめか

初めてクリエイターPCを購入する学生や初心者
「何を買えばいいか分からないけれど、普通の事務用PCでは不安」という最初の一台に最適です。17万円台という価格は、アルバイト代や貯金で手が届く範囲でありながら、クリエイティブソフトがしっかり動くラインをクリアしています。
イラスト・マンガ制作をメインとするクリエイター
動画や3Dはやらず、Clip Studio PaintやPhotoshopでの制作がメインの方にとっては、まさに「必要十分」な一台です。
DAIV KM-A5G5Aの評判まとめ

| パーツ | スペック |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| CPU | AMD Ryzen 5 7500F プロセッサ |
| グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 3050 |
| メモリ | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
| ストレージ | 1TB (NVMe Gen4×4) |
| 保証期間 | 3年間センドバック修理保証・24時間×365日電話サポート |
DAIV KM-A5G5Aは、突出した超高性能マシンではありませんが、「価格」と「性能」のバランス感覚が優れた良機種です。特にイラスト制作や軽量な動画編集を目的とする場合、これほどコストパフォーマンスが高い選択肢は多くありません。
「まずはここから始めて、プロ並みの作品を作りたい」。そんなクリエイターの第一歩を支える相棒として、本機は十分な実力を持っています。
