2026年、Lenovoが満を持して投入したThinkPad X9 15p Gen 1 Aura Edition。前モデルのX9 15で話題を呼んだ「TrackPoint廃止・薄型アルミボディ」路線を引き継ぎながら、プロセッサーをIntel最新のPanther Lake世代(Core Ultra Xシリーズ3)に刷新し、ポート構成やスピーカー、カメラまで大幅にアップグレードされました。TDP最大45Wという、薄型ノートとしては攻めた熱設計も注目ポイントです。
「ビジネス用途でMacBook Proの対抗馬を探している」「15インチクラスで軽くて高性能なPCがほしい」という方には、間違いなく候補に入る一台です。この記事では、搭載CPUのベンチマーク分析から、ネット上のリアルな口コミ・レビューの傾向まで、購入を検討している方が必要な情報をまるっとまとめました。Lenovoの特徴・評判についてはこちらの解説記事も参考にどうぞ。
ThinkPad X9 15p Gen 1 Aura Editionの基本スペックと特徴
まずはスペックの全体像を押さえておきましょう。前世代のX9 15(Lunar Lake搭載)からどう進化したのかも含めて整理します。
| 項目 | ThinkPad X9 15p Gen 1(2026) |
|---|---|
| CPU | Intel Core Ultra X7 358H(Panther Lake-H / 16コア16スレッド) |
| GPU | Intel Arc B390(内蔵 / 12 Xe3コア) |
| メモリ | 32GB LPDDR5X-9600(オンボード) |
| ストレージ | 1TB SSD(M.2 2280 PCIe Gen4 NVMe) |
| ディスプレイ | 15.3型 2.8K OLED(2880×1800)/ 120Hz / 最大1,100nits |
| バッテリー | 大容量バッテリー / GaN急速充電対応 |
| ポート | Thunderbolt 4 ×3 / USB-A 10Gbps ×1 / HDMI / SDカード / 音声 |
| カメラ | 10MP(110°広角 / eシャッター付き) |
| スピーカー | 6スピーカー(ツイーター内蔵 / キーボード左右配置) |
| 重量 | 約1.5kg |
| OS | Windows 11 Home / Pro(選択可) |
| NPU | NPU 5(50 TOPS)/ Copilot+ PC対応 |
| 販売価格(税込) | ¥621,500〜(Home)/ ¥652,300〜(Pro) |
| その他 | MIL-SPEC準拠 / 再生アルミ筐体 / Wi-Fi 7 / Bluetooth 5.4 |
前モデルのX9 15(Lunar Lake / Core Ultra 7 258V)との最大の違いは、CPUがPanther Lake世代に刷新され、コア数が8→16に倍増している点です。TDPも17W→最大45Wに引き上げられ、マルチスレッド性能は大幅に向上しています。
また、Thunderbolt 4ポートが2基→3基に増え、フルサイズSDカードスロットが追加されたのもクリエイター層にはうれしいポイント。スピーカーもキーボード横に移動し、Webカメラも8MP→10MPにグレードアップしています。
筐体デザインは前モデルの「サンダーグレー」アルミユニボディを踏襲しており、約1.5kgという重量は15インチクラスとしてはかなり軽量の部類です。
Core Ultra X7 358Hのベンチマーク性能を徹底分析
ThinkPad X9 15pに搭載されるIntel Core Ultra X7 358Hは、Panther Lake-Hアーキテクチャの上位モデルです。Intel 18Aプロセスで製造されるコンピュートタイルに、Cougar Cove Pコア×4、Darkmont Eコア×8、Darkmont LPコア×4という合計16コア16スレッドの構成を詰め込んでいます。
Notebookcheckやcpu-monkey.comなどの海外ベンチマークデータベースに蓄積された実測値をもとに、主要なベンチマークスコアを整理しました。
主要ベンチマークスコア一覧
| ベンチマーク | Core Ultra X7 358H (本機搭載) |
Core Ultra 7 258V (前世代X9 15) |
Core Ultra 9 285H (参考:前世代H) |
|---|---|---|---|
| Cinebench R23(マルチ) | 約18,789 | 約9,600 | 約16,200 |
| Cinebench R23(シングル) | 約2,085 | 約1,870 | 約1,950 |
| Geekbench 6(シングル) | 約2,763 | 約2,670 | 約2,650 |
| Geekbench 6(マルチ) | 約15,431 | 約10,100 | 約13,800 |
| PassMark CPU(マルチ) | 約34,562 | 約19,400 | 約28,500 |
※ スコアはNotebookcheck、cpu-monkey.com、nanoreview.net等の海外ベンチマークデータベースに掲載された平均値・中央値を参照しています。実機の冷却設計やTDP設定によって前後する場合があります。
Cinebench R23 マルチコア比較グラフ
Core Ultra X7 358H(本機)
Core Ultra 9 285H(前世代H)
Ryzen AI 9 HX 370(競合AMD)
Core Ultra 7 258V(前世代X9 15)
Apple M4(MacBook Air参考)
このスコアで具体的に何ができるのか
Cinebench R23マルチで約18,800というスコアは、ノートPC用プロセッサーとしてはかなりのハイエンド水準です。前モデルのX9 15(Core Ultra 7 258V)と比較するとマルチコア性能が約2倍に跳ね上がっています。
具体的な作業で言えば、Adobe Premiere ProやDaVinci Resolveでの4K動画編集がかなり快適になります。Lunar Lake世代では重いタイムラインのプレビューでカクつきが発生することがありましたが、358Hではそうした場面でのストレスが大幅に減るはずです。
また、Visual StudioやJetBrains系IDEでの大規模プロジェクトのビルド、Docker上での開発環境の並行処理など、開発者が日常的に遭遇するマルチスレッド負荷に対しても十分な余裕があります。
Geekbench 6シングルコアの約2,763というスコアも優秀で、ブラウザのタブを大量に開いた状態でのレスポンスや、Officeアプリのサクサク感は一級品です。前世代のX9 15ユーザーからは「ブラウザのタブを大量に開くとラグが出る」という声がありましたが、358Hならコア数の余裕でそうした問題も軽減されるでしょう。
内蔵GPUのIntel Arc B390(12 Xe3コア)は、3DMarkベンチマークのリーク情報によるとTime Spyで約6,800ポイント前後。これはおおむねNVIDIA GeForce RTX 3050 Laptop GPUと同等クラスで、軽めの3Dゲーム(Valorant、Minecraft等)なら設定次第で十分遊べる水準です。ただし、本格的な3D CADやゲーミング用途であれば、ディスクリートGPU搭載機を検討したほうがいいでしょう。
同シリーズの他モデルとの比較
Lenovo公式ストアでは、ThinkPad X9 15pと同じページで他のThinkPadモデルも紹介されています。用途や予算に合わせてどれを選ぶべきか、主要な違いを比較してみます。
| モデル | 画面 | 主な特徴 | 販売価格 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|
| X9 15p Gen 1 Aura Edition | 15.3型 | Panther Lake搭載 / TDP 45W / TB4×3 / SDカード | ¥621,500〜 | 高負荷クリエイティブ・開発 |
| X9 15 Gen 1 Aura Edition | 15.3型 | Lunar Lake / 低消費電力 / 軽量1.4kg | ¥240,790〜 | モバイルワーク・長時間外出 |
| X1 Carbon Gen 13 Aura Edition | 14型 | TrackPoint搭載 / 伝統的ThinkPad / 超軽量 | ¥281,622〜 | 出張族・TrackPoint派 |
| X1 2-in-1 Gen 11 Aura Edition | 14型 | 2-in-1コンバーチブル / ペン対応 | ¥425,040〜 | 手書き・タブレット兼用 |
| X1 Carbon Gen 13 IAL | 14型 | ビジネス向けスタンダード / vPro対応 | ¥267,080〜 | 法人一括導入・管理重視 |
X9 15p vs X9 15は「性能をとるか、バッテリー持ちをとるか」がざっくりした選択基準です。Panther Lake搭載のX9 15pは圧倒的にマルチスレッド性能が高い一方、TDPが高い分バッテリー消費も大きくなります。前モデルのX9 15はLaptopMedia.comのテストで21時間超の驚異的なバッテリー駆動を記録しており、外出先での長時間稼働が最優先ならX9 15のほうが向いています。
X1 Carbon Gen 13との使い分けについては、TrackPoint(赤いポッチ)が必要かどうかが最大のポイントです。X9シリーズにはTrackPointが搭載されていません。長年のThinkPadユーザーにとってはこれが最大の懸念材料ですが、「大画面がほしい」「TrackPointは使っていなかった」という方にはX9 15pが断然おすすめです。
ユーザーの口コミ・レビュー傾向を分析
X9 15pは2026年3月以降に発売された新モデルのため、まだ口コミの蓄積は多くありませんが、先代のX9 15シリーズや同プラットフォームを搭載した他機種のユーザーレビュー、海外メディアのレビューから、購入後にどんな感想を持つ方が多いのかの傾向が見えてきます。
高評価が集中しているポイント
1. ディスプレイの美しさは文句なし
X9シリーズの2.8K OLEDディスプレイに対する評価は非常に高く、「一度使うとIPS液晶には戻れない」という声が多数。LaptopMedia.comのレビューでは「最高のスクリーンを備えたノートPCランキングのトップ3」に入ると評されています。反射防止コーティングの性能も好評で、あるレビューサイトでは「MacBook Airより映り込みが少ない」との評価も。
「OLEDの発色がとにかくキレイ。写真編集で色の再現性が段違いに感じる」
― X9 15ユーザー / SNSでの投稿より
2. 15インチとは思えない軽さ
約1.5kgの重量は、同サイズ帯のビジネスノートの平均(1.7〜2.0kg)を大きく下回ります。ネット上では「リュックに入れても重さを感じない」「13インチモバイルノート並みの感覚」という声が散見されます。
「15インチの大画面は欲しいが、重いのは嫌だ。X9 15はそんなわがままを叶えてくれた」
― ThinkPad専門レビューサイトより
3. ポート構成の充実
X9 15pではThunderbolt 4が3ポートに増加し、フルサイズSDカードスロットも追加されました。前モデルから引き続きUSB-Aポートが残されている点も、ビジネス現場ではありがたいという声が多いです。「USBメモリを渡されても変換アダプタが不要」というのは、地味ながら大きなメリットです。
不満・注意点として挙がっている声
1. TrackPointの不在
これは予想通り最も多い不満です。海外の掲示板やレビューコメントでは率直な意見が飛び交っています。
「TrackPointがないThinkPadは、もはやThinkPadではない」
― Liliputing.com コメント欄より
「ThinkPadらしさが何一つありません!中央の赤ポチがないので違和感が半端ない」
― 国内ガジェットメディアより
ただし、「他社から乗り換えるユーザーには関係ない話」「大型タッチパッドの操作性は十分良い」という反論も同じくらいあります。Lenovo自身も「他社や他機種からの乗り換え層」をターゲットとしていることを公表しています。
2. タッチパッドは「触覚フィードバック付き」を選ぶべき
口コミでは「標準タッチパッドは質感が劣る」という声があります。数千円の差で触覚(ハプティック)タッチパッドにアップグレードできるので、ここは妥協しないほうが満足度が段違いとのこと。
3. 価格はそれなりに高い
¥621,500〜という価格は、一般的なビジネスノートと比べると高額です。ただし、15型OLED・Panther Lake・Thunderbolt 4×3・MIL-SPEC準拠・1.5kgという仕様を考えると、スペック面ではしっかり価格なりの価値は提供されていると言えます。
4. 前モデルでのブラウザラグ報告
Ultrabookreview.comのコメント欄では、前モデルX9 15(258V搭載)のユーザーが「ブラウザのタブを大量に開くとラグが発生する」と報告しています。同サイトのライターは「Panther Lakeのマルチコア性能向上で改善されるはず」とコメントしており、X9 15pではこの問題が解消されている可能性が高いです。
海外メディアの総合評価まとめ
| メディア | 評価・コメント概要 |
|---|---|
| Notebookcheck | MacBook Airの対抗馬として高評価。TrackPointなしでも良いノートPCと評価 |
| LaptopMedia | ディスプレイが全ノートPC中トップ3入り。バッテリーは15型で過去最高を記録 |
| TechRadar | ここ数年で最も機能充実のThinkPad。3つのTB4ポートとSDカードを評価 |
| Neowin | 半年使用レビューで高い満足度。新規ユーザーにも既存ファンにもおすすめ |
| Lenovo公式ストア | X9 15(前モデル)は★4.6 / 275件の高評価 |
ディスプレイ・デザイン・機能面の注目ポイント
15.3型 2.8K OLEDの実力
解像度2880×1800ピクセル、リフレッシュレート120Hz、ピーク輝度1,100nitsという数値は、ビジネスノートとしてはオーバースペック気味なほど贅沢な仕様です。工場出荷時に色補正済みで、DCI-P3の広色域をカバーしているので、写真や映像を扱うクリエイターにとっても実用的です。
注目すべきは反射防止コーティングの出来の良さです。有機ELパネルはどうしても光沢仕上げになりがちですが、本機はARAS(アンチリフレクティブ・アンチスマッジ)技術が施されており、通常のグレアパネルとは一線を画す視認性を確保しています。
再生アルミの質感とMIL-SPEC耐久性
筐体はサンダーグレーの再生アルミニウムユニボディ。見た目は完全にプレミアム路線ですが、米国国防総省のMIL-STD-810H規格に準拠しており、落下・振動・温度変化に対する耐久テストもクリアしています。高級感と堅牢性の両立は、ThinkPadならではの強みです。
LaptopMedia.comのレビューでは「指紋がつきにくく、何週間使ってもきれいな状態を保てる」とも言及されており、見た目の維持のしやすさも好印象です。
Aura EditionのAI機能
「Aura Edition」はLenovoとIntelの共同開発によるAI機能ブランドです。NPU 5(50 TOPS)を搭載したCopilot+ PC対応モデルとして、以下のような機能が使えます。
・Smart Modes — 作業内容に応じたパフォーマンス最適化とノイズキャンセリング
・Smart Care — 24時間365日のテクニカルサポート
・Smart Share — スマホをPCにタッチするだけでファイル連携(Android/iOS対応)
・オンデバイスAI — オフライン環境でもAI機能が動作し、プライバシーを確保
購入前に知っておきたい注意点
購入を検討しているなら、以下のポイントは事前にチェックしておくことをおすすめします。
メモリは後から増設できません。LPDDR5Xメモリはオンボード実装のため、購入時の選択がそのまま最終スペックになります。長く使う予定なら32GB以上を選んでおくべきです。
タッチパッドは「触覚フィードバック付き」を強く推奨。TrackPointが廃止されているぶん、タッチパッドの使用頻度が格段に上がります。標準パッドと感圧式パッドでは操作感の差が大きいので、ここは数千円をケチらないほうがいいです。
SSDの容量も余裕を持って。前モデルのX9 15ではM.2 2242サイズのSSDが採用されており、市販の2280 SSDとの互換性が限られるケースがありました。X9 15pのSSDスロット仕様は2280対応となっていますが、購入時に十分な容量を選んでおくに越したことはありません。
ディスクリートGPUは非搭載。内蔵のIntel Arc B390はビジネス用途や軽めのクリエイティブ作業には十分ですが、本格的な3Dレンダリングや最新ゲームには力不足です。そうした用途がメインならワークステーションモデルを検討しましょう。
まとめ:ThinkPad X9 15p Gen 1 Aura Editionはどんな人に向いているか
ThinkPad X9 15p Gen 1 Aura Editionは、「MacBook Proクラスの仕上がりをWindows環境で実現したい」という層にピッタリの一台です。
特に向いているのは、こんな方です。
・15インチの広い画面で作業したいけど、重いPCは持ち歩きたくない方
・動画編集、コーディング、データ分析などマルチスレッド性能が必要な方
・美しいOLEDディスプレイで写真やクリエイティブ作業をしたい方
・ビジネス用途で堅牢性(MIL-SPEC)とセキュリティ(ThinkShield)が求められる方
・TrackPointにこだわりがなく、モダンなデザインを好む方
逆に、TrackPointが手放せない方はX1 Carbon Gen 13が依然として最有力候補ですし、バッテリー駆動時間を最優先するなら前モデルのX9 15(Lunar Lake版)も十分に魅力的です。
Core Ultra X7 358Hの搭載により、前世代からマルチコア性能が約2倍に跳ね上がったのは大きなトピック。この性能を15インチ・1.5kgのボディに収めたエンジニアリングは、素直にすごいと思います。Lenovoというメーカーの特徴や信頼性が気になる方は、あわせてチェックしてみてください。
