2026年2月に発売されたASUSの新しいデスクトップPC「ASUS V500 SFF (V501SV)」。わずか9リットルというコンパクトボディに、Intel Core 7 240Hプロセッサーと32GBメモリを詰め込んだこのモデルは、「リビングに置いても違和感のないPC」をコンセプトに設計されています。従来のデスクトップPCにありがちな無骨さを排除し、やわらかな曲線と温かみのある素材で仕上げたデザインは、ASUSの新しいVシリーズの中でもひときわ注目度の高い一台です。
この記事では、搭載CPUのベンチマーク分析、同シリーズ他モデルとの比較、そして実際のユーザーの声まで、購入前に知っておきたい情報をできるだけ詳しくまとめました。「家庭用にちょうどいいデスクトップが欲しいけど、性能面で妥協したくない」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。なお、ASUSの特徴やメーカーとしての評判についてはこちらの解説記事もあわせてどうぞ。
ASUS V500 SFF (V501SV) のスペック概要
まずは基本スペックを確認しておきましょう。ここでは最上位構成であるCore 7 240H/32GB/1TB/Officeオプション付きモデル(V501SV-07240H321TBO)を中心にまとめています。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| CPU | Intel Core 7 240H(10コア/16スレッド、最大5.2GHz) |
| メモリ | 32GB DDR5(最大64GBまで増設可能) |
| ストレージ | 1TB NVMe SSD(PCIe 4.0 x4接続) |
| グラフィックス | Intel グラフィックス(CPU内蔵) |
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| オフィス | Microsoft 365 Personal(24ヶ月版)/ Office H&B 2024 オプション付 |
| 無線 | Wi-Fi 6(802.11ax)/ Bluetooth 5 |
| 前面端子 | USB 3.2 Type-A Gen1 ×2、USB 3.2 Type-C Gen1 ×1 |
| 背面端子 | HDMI ×1、DisplayPort ×1、USB 2.0 ×4、LAN(RJ45)、マイク入力、ラインイン/アウト |
| 静音性 | ウィスパーモード時 22dB |
| 電源 | 80 PLUS Platinum認証 |
| 価格 | ¥199,800(税込) |
ポイントは、ノートPC向けのモバイルCPU「Core 7 240H」をデスクトップに搭載している点です。モバイル向けだからこそTDP 45Wに収まり、9リットルの小型筐体でも無理なく冷却できる設計になっています。ASUSの公式情報によると、同価格帯のデスクトップ向けCore i5-14400搭載機と比較して高いパフォーマンスを発揮するとされています。
Intel Core 7 240Hの性能をベンチマークで検証
ASUS V500 SFFに搭載されているIntel Core 7 240Hは、6つの高性能Pコアと4つの省電力Eコアで構成された10コア16スレッドのプロセッサーです。最大ブーストクロックは5.2GHzと高く、シングルスレッド性能にもかなり力が入っています。
各種ベンチマークの代表的なスコアを、身近な他CPUと比較してみました。データはNotebookCheck、technical.city、Reinforz Insightなど複数の海外・国内メディアの数値を参照しています。
主要ベンチマーク比較表
| CPU | PassMark | Cinebench R23 マルチ |
Cinebench R23 シングル |
Geekbench 6 マルチ |
|---|---|---|---|---|
| Core 7 240H(本機) | 約24,595 | 約14,667 | 約1,763 | 約13,330 |
| Core i7-13620H | 約23,000 | 約14,100 | 約1,710 | 約12,800 |
| Core i7-12800H | 約24,303 | 約14,500 | 約1,720 | 約13,000 |
| Ryzen 7 7840S | 約25,500 | 約15,100 | 約1,750 | 約14,200 |
| Core i5-14400(デスクトップ) | 約21,500 | 約13,200 | 約1,780 | 約12,000 |
※スコアは環境・メモリ構成により変動します。複数の計測サイト(NotebookCheck、technical.city等)の平均的な値を参考として掲載しています。
PassMarkスコア比較グラフ
Cinebench R23 マルチコア比較グラフ
このスコアで具体的に何ができるのか?
PassMarkスコア約24,500というのは、一般的なデスクトップ用途としてはかなり余裕のあるレベルです。目安として、PassMarkスコアが20,000を超えていれば「複数アプリでのハードなPC作業も余裕でこなせる」とされています。
具体的な作業で言えば、OfficeソフトやWebブラウジングはもちろんストレスゼロ。ブラウザで数十タブ開きながらExcelで大きめのファイルを操作しても、引っかかりを感じることはまずないでしょう。写真編集(Lightroom、Photoshop)も快適に動作しますし、フルHD程度の動画編集もこなせます。
一方で注意が必要なのは、グラフィックスがCPU内蔵のIntel Graphics(64EU)である点です。ディスクリートGPUは非搭載なので、4K動画の再生や軽めのゲーム(ブラウザゲームや2Dタイトル等)は問題ありませんが、最新の3Dゲームをバリバリ遊びたい場合は力不足です。あくまで家庭向け・ビジネス向けの用途に最適化されたマシンと考えるべきでしょう。
全5モデルのバリエーション比較
ASUS V500 SFF (V501SV) は全5モデルが展開されています。CPU・メモリ・ストレージ・Officeの有無で差がつくので、用途に合わせて選ぶのが大事です。
| モデル | CPU | メモリ | SSD | Office |
|---|---|---|---|---|
| Core 7/32GB/1TB/Office付き | Core 7 240H | 32GB | 1TB | あり |
| Core 7/32GB/1TB | Core 7 240H | 32GB | 1TB | なし |
| Core 5/16GB/1TB | Core 5 210H | 16GB | 1TB | なし |
| Core 5/16GB/512GB/Office付き | Core 5 210H | 16GB | 512GB | あり |
| Core 5/16GB/512GB | Core 5 210H | 16GB | 512GB | なし |
Officeが必要かどうかで数万円の差が出るため、すでにMicrosoft 365のサブスクを持っている方はOfficeなしモデルを選んだほうがお得です。逆に、これからPCを初めて購入する方やOffice環境を整えたい方は、24ヶ月分のMicrosoft 365付きモデルがコスパ的におすすめです。365 Personalには3ヶ月の試用期間があり、その後にOffice Home & Business 2024(永続版)へ切り替えるオプションも用意されています。
静音性・冷却設計・デザインの特徴
22dBの「ウィスパーモード」はどれくらい静か?
本機の大きなセールスポイントのひとつがウィスパーモード時22dBという静音性です。22dBは「木の葉がかすかに触れ合う程度の音」と言われていて、実質的にはほぼ無音に近いレベル。リビングや寝室に置いても動作音がまったく気にならないのは、家庭用PCとしてかなり大きなメリットです。
冷却には銅製ヒートパイプを採用したコンパクトな空冷クーラーを使い、背面の排気ファンで温まった空気を外に逃がす仕組みになっています。前面と側面から吸気、背面から排気という一方向のエアフローが設計されているので、9リットルの小さい筐体でもCPU性能を引き出しつつ静かさを維持できるわけです。
インテリアに溶け込むデザインコンセプト
ASUSはこのVシリーズで「家具のようなPC」を目指しており、V500 SFFにもその思想がしっかり反映されています。やわらかな曲線の筐体、織物風の前面パネル、そして電源インジケーターには温かみのある4000K(暖色系)のLEDを使用。一般的なデスクトップPCの「いかにも機械」という印象とはまったく違います。
ホワイトの筐体カラーもリビングや書斎に馴染みやすく、「PCをあまり目立たせたくない」という方にはうれしい選択肢です。ただし、キーボード・マウス・ディスプレイは別売りなので、その点は購入時に忘れずに準備しましょう。
V500シリーズ内の他モデルとの比較
ASUS Storeでは、V500 SFF以外にもV500 Mini TowerやV400 AiOなどの製品がラインナップされています。PDFの製品ページに掲載されている関連モデルとの違いを整理してみましょう。
| モデル | 形状 | 特徴 | 参考価格 |
|---|---|---|---|
| V500 SFF(V501SV) | スモールフォームファクター | 9Lの極小ボディ、22dB静音設計 | ¥109,800~¥199,800 |
| V500 Mini Tower(V501MV) | ミニタワー | 木目調デザイン、大型ファン、GPU拡張可能 | ¥134,800~¥199,800 |
| V400 AiO(V470系) | 液晶一体型 | モニター一体でスッキリ設置 | ¥164,800~ |
設置スペースを最小限にしたいなら V500 SFF、グラフィックカードの後付けやDVDドライブが欲しいなら V500 Mini Tower、モニターごと一式揃えたいなら V400 AiO という棲み分けになっています。V500 SFFは圧倒的な省スペース性と静音性に特化している分、拡張性はやや限られる点がトレードオフです。
ユーザーの口コミ・評判まとめ
V500 SFF (V501SV) は2026年2月末に発売されたばかりということもあり、レビュー自体はまだ多くありません。ただ、SNSやレビューサイト、メディア記事を横断的に調べたところ、以下のような評価傾向が見えてきます。
好意的な意見(ポジティブ)
静音性を評価する声が多数。V500シリーズの先代モデル(V500MV等)から続くASUSの静音設計は、実際のユーザーからも高く評価されています。あるレビュー記事では「ほぼ無音で動作する静音設計」「低負荷時にはファン自動停止で0dB運転も可能」と評されており、リビングや寝室での使用に適しているという指摘が複数見られました。
コンパクトさとデザインの良さ。マレーシアでの発売レビューでは、「通常のオフィス向けデスクトップとは一線を画す、家庭のリビングに自然に馴染むデザイン」と好意的に評価されています。織物風のフロントパネルや丸みを帯びたエッジは、国内のPC情報メディアでも注目ポイントとして取り上げられていました。
日常用途には十分すぎる性能。32GBメモリ+1TB SSDの構成は家庭用としてはかなり余裕があり、「WebブラウジングやOffice作業はサクサク」「PCIe 4.0 SSDの起動の速さに驚いた」といった声が寄せられています。
気になる点・注意点(ネガティブ)
GPUが内蔵グラフィックスのみ。これは本機に限った話ではありませんが、SFF筐体のためディスクリートGPUを追加するスペースが限られています。ゲーミング用途やGPUを使う動画編集には不向き、という指摘は複数のメディアで見られます。
モバイル向けCPUのリネーム感。技術系コミュニティでは、Core 7 240Hが第12世代Core i7-12800Hとほぼ同等の性能であるという議論がありました。「新しいブランド名だが、中身は以前の世代の焼き直しでは?」という厳しい見方もある点は知っておくとよいでしょう。
周辺機器が別途必要。キーボード・マウス・ディスプレイが付属しないため、初めてデスクトップPCを買う方にとっては初期費用がかさむ可能性があります。ASUS Storeでは周辺機器の同時購入で10%OFFになるキャンペーンを実施しているので、活用するのが賢いです。
V500シリーズへの評価傾向(先代含む)
先代のV500 Mini Tower(V500MV)に関しては、「派手さより確実性を選ぶ人にとって後悔の少ない選択肢」「静かで速く、長く使えるデスクトップ」というまとめが国内レビューサイトで見られます。また、ASUSの「あんしん保証」制度(水没・落下・ウイルス感染にも対応)を評価する声も一定数ありました。V500 SFFもこの系譜を引き継いでいるため、品質・サポート面では安心できるラインと言えそうです。
メリット・デメリットの整理
メリット
・9Lサイズでどこにでも置けるコンパクトさ
・22dBのウィスパーモードで家庭利用に最適
・32GB DDR5+1TB NVMe SSDの余裕ある構成
・80 PLUS Platinum電源で省エネ
・HDMI+DisplayPortのデュアル出力対応
・あんしん保証で水没・落下にも対応可能
デメリット
・GPU内蔵のため3Dゲームには非力
・SFF筐体で拡張性は限定的
・キーボード・マウス・モニターは別売り
・上位モデルは約20万円とやや高め
・DisplayPortがDual-Mode非対応
・光学ドライブ非搭載
ASUS V500 SFF (V501SV) はこんな人におすすめ
ここまでの分析を踏まえて、本機が特に向いている方をまとめます。
☑ リビングや寝室など、生活空間に置いても違和感のないPCが欲しい方
☑ ファンの音が苦手で、とにかく静かなデスクトップを求めている方
☑ Office作業・Web閲覧・動画視聴・写真整理がメインで、ゲームはしない(またはライトゲーマー)
☑ 家族共用のPCとして、子どもの学習から親のテレワークまで1台でカバーしたい方
☑ 自作PCは面倒だけど、メモリ64GBへの増設やSSD追加など最低限の拡張性は欲しい方
逆に、3Dゲームや本格的な動画編集をバリバリやりたい方には、V500 Mini Tower(V501MV)やディスクリートGPU搭載モデルを検討したほうが満足度は高いです。
まとめ:静かに、コンパクトに、しっかり使えるデスクトップPC
ASUS V500 SFF (V501SV) は、「デスクトップPCは大きくてうるさい」という固定観念を覆す一台です。わずか9リットルのボディに、日常作業に十分すぎるCore 7 240H+32GB+1TBの構成を詰め込み、22dBの静音性まで実現しています。
ベンチマーク上の性能は、同価格帯のデスクトップ向けCore i5-14400搭載機を上回るレベル。GPUが内蔵グラフィックスのみという割り切りはありますが、Office作業やWeb閲覧、4K動画視聴といった一般的な用途であれば何の不満もないパフォーマンスを発揮してくれます。
「家のどこに置いても馴染む」というコンセプトにふさわしいデザインと実力を兼ね備えたこのPC。家庭用デスクトップの購入を検討している方は、ぜひ候補に入れてみてください。ASUSのメーカーとしての特徴や他製品ラインナップについてはこちらのASUS解説ページもあわせて参考にどうぞ。
