「RX 9070 XTって、実際ゲームでどれくらい動くの?」──2025年3月に登場したAMDの新世代GPU Radeon RX 9070 XT は、RDNA 4アーキテクチャを引っ提げて、ちょうどNVIDIAのRTX 5070とRTX 5070 Tiの間に割り込むような立ち位置で殴り込みをかけてきました。MSRP 599ドル(国内MSRP 112,980円)で、VRAM 16GBという余裕あるスペックと、大幅に強化されたレイトレーシング性能が話題を呼んでいます。
このページでは、GamersNexus・TechSpot・TechPowerUp・Tom’s Hardwareなど海外の主要レビューサイトの公開ベンチマークデータを独自に集計・整理して、RX 9070 XTの「リアルなゲーム性能」を1ページにまとめました。1440pと4Kそれぞれの実測fpsデータ、競合GPUとの比較、レイトレーシング性能、そして買いかどうかの判断材料まで、なるべく分かりやすくお伝えしていきます。
RX 9070 XTの基本スペック──ざっくり押さえておきたいポイント
まずはスペック表でRX 9070 XTのハードウェア構成をチェックしてみましょう。比較対象として、ライバルになるRTX 5070 TiとRTX 5070、そして前世代のRX 7900 XTを並べています。
| 項目 | RX 9070 XT | RTX 5070 Ti | RTX 5070 | RX 7900 XT |
|---|---|---|---|---|
| アーキテクチャ | RDNA 4 | Blackwell | Blackwell | RDNA 3 |
| プロセスノード | TSMC 4nm | TSMC 4nm | TSMC 4nm | TSMC 5nm |
| CU / SP数 | 64基 / 4,096 | — / 8,960 | — / 6,144 | 84基 / 5,376 |
| ブーストクロック | 最大 2,970 MHz | 最大 2,452 MHz | 最大 2,512 MHz | 最大 2,400 MHz |
| VRAM | 16GB GDDR6 | 16GB GDDR7 | 12GB GDDR7 | 20GB GDDR6 |
| メモリバス幅 | 256-bit | 256-bit | 192-bit | 320-bit |
| 帯域幅 | 640 GB/s | 896 GB/s | 672 GB/s | 800 GB/s |
| TBP(消費電力) | 304W | 300W | 250W | 300W |
| MSRP | $599 | $749 | $549 | $899(発売時) |
注目したいのは、前世代のRX 7900 XTと比べてCU数が24%も少なく、ダイサイズも33%小型化しているにもかかわらず、同等以上のゲーミング性能を叩き出している点です。RDNA 4のアーキテクチャ刷新がいかに効いているかが分かります。
また、RTX 5070がVRAM 12GBなのに対して、RX 9070 XTは16GBのVRAMを搭載しています。最近の重量級タイトルでは12GBだとVRAMが足りなくなってカクつくケースが報告されており(Cyberpunk 2077のRT Ultraなど)、この差は今後ますます重要になってくるでしょう。
参考:AMD公式 Radeon RX 9070 XT 製品ページ
ラスタライズ性能──1440p・4Kでの実測fpsを徹底比較
ここからが本題です。各レビューサイトで計測された、レイトレーシングを使わない通常描画(ラスタライズ)でのゲーム別fpsを見ていきましょう。まずはRX 9070 XTの主戦場である1440pから。
1440p ラスタライズ 実測fps比較
※ 各タイトルの最高画質設定(Ultra / Extreme等)で計測。データはGamersNexus、TechSpot、Tom’s Hardwareの公開レビューを基に集計したものです。
| ゲームタイトル | RX 9070 XT | RTX 5070 Ti | RTX 5070 | RX 7900 XT |
|---|---|---|---|---|
| Dragon’s Dogma 2 | 102 fps | 105 fps | 82 fps | 89 fps |
| Resident Evil 4 | 155 fps | 161 fps | 137 fps | 144 fps |
| Black Myth: Wukong | 68 fps | 78 fps | 65 fps | 63 fps |
| Cyberpunk 2077 | 96 fps | 104 fps | 89 fps | 92 fps |
| Dying Light 2 | 95 fps | 108 fps | 86 fps | 90 fps |
| God of War: Ragnarök | 109 fps | 110 fps | 96 fps | 101 fps |
1440pのラスタライズでは、RX 9070 XTは多くのタイトルでRTX 5070 Tiに肉薄するスコアを出しています。God of War: Ragnarökではほぼ誤差レベル、Dragon’s Dogma 2でも3%差しかありません。$150(国内で2〜3万円)の価格差を考えると、かなり健闘していると言えます。
一方でBlack Myth: Wukongのような最適化がNVIDIA寄りのタイトルだと10〜15%ほど差が開くこともあります。ここは完全にゲーム次第なので、自分がプレイしたいタイトルのベンチマークを個別にチェックするのがおすすめです。
4K ラスタライズ 実測fps比較
※ 各タイトル最高画質設定。アップスケーリング不使用(ネイティブ4K)。データはGamersNexus、TechSpot、Tom’s Hardwareの公開レビューを基に集計。
| ゲームタイトル | RX 9070 XT | RTX 5070 Ti | RTX 5070 | RX 7900 XTX |
|---|---|---|---|---|
| Dragon’s Dogma 2 | 70 fps | 74 fps | 56 fps | 74 fps |
| Resident Evil 4 | 103 fps | 112 fps | 94 fps | 101 fps |
| Black Myth: Wukong | 46 fps | 55 fps | 48 fps | 51 fps |
| Cyberpunk 2077 | 64 fps | 72 fps | 59 fps | 68 fps |
| Dying Light 2 | 46 fps | 57 fps | 44 fps | 47 fps |
| God of War: Ragnarök | 74 fps | 82 fps | 67 fps | 76 fps |
4Kになると全体的にRTX 5070 Tiとの差がやや広がりますが、RTX 5070に対しては大半のタイトルで上回っています。Dragon’s Dogma 2の4Kでは70 fpsに達しており、RX 9070 XTの24%上回るパフォーマンスで5070を引き離しました。
Tom’s Hardwareの16タイトル平均(ジオメトリック・ミーン)データによると、ラスタライズでのRX 9070 XTの立ち位置は以下のようにまとめられます。
複数タイトル平均でのラスタライズ相対性能
・vs RX 7900 XTX:4Kで約5%、1440pで約5%下回る(ほぼ互角の位置)
・vs RTX 5070 Ti:4Kで約8〜12%下回る。1440pでは約5〜8%差(ドライバ改善で縮小中)
・vs RTX 5070:4Kで約5〜15%上回る(ゲーム依存が大きい)
・vs RTX 4080 Super:ラスタライズではほぼ同等のポジション
・vs RX 7900 XT:同等もしくはやや上回る
ドライバの成熟も見逃せないポイントです。Hardware Unboxedの追加検証では、最新ドライバでRX 9070 XTが1440pで発売時から平均9%もの性能向上を達成し、RTX 5070 Tiと互角に並んだことが報告されています。発売直後のレビュースコアだけで判断するのはもったいないです。
レイトレーシング性能──RDNA 4で弱点はどこまで克服されたか
AMD GPUの従来の弱点と言えばレイトレーシング(RT)でした。RDNA 3世代まではNVIDIAに大きく引き離されていましたが、RDNA 4でかなりの改善が入っています。とはいえ、「完全に追いついた」とは言い切れない状況です。実際のデータを見てみましょう。
| ゲーム(RT設定) | RX 9070 XT | RTX 5070 Ti | RTX 5070 | 前世代比(vs 7900 XT) |
|---|---|---|---|---|
| Dragon’s Dogma 2(RT・4K) | 61 fps | 63 fps | 49 fps | +26%向上 |
| Black Myth: Wukong(RT・4K) | 29 fps | 52 fps | 40 fps | +45%向上(vs 7900 XTX) |
| Cyberpunk 2077(RT Ultra・1080p) | 71 fps | 88 fps | 64 fps | +84%向上 |
| Cyberpunk 2077(RT Med・1080p) | 81 fps | 95 fps | 82 fps | 大幅向上 |
レイトレーシングの結果はかなり「タイトル次第」な傾向が強いです。中〜軽量のRT負荷がかかるゲーム(Dragon’s Dogma 2のRTなど)ではRTX 5070 Tiと互角に戦えています。一方で、Black Myth: Wukongのフルパスレイトレーシングのような超ヘビーなRT負荷になると、NVIDIAが依然として大きくリードします。
ただし、前世代(RDNA 3)からの改善幅は圧倒的です。Cyberpunk 2077のRT Ultraでは7900 XTから84%もの性能向上を記録しており、AMDがRT方面に本気で投資してきたことが分かります。RTゲームを完全に諦める必要がなくなったのは、Radeonユーザーにとって大きな進歩です。
3DMarkベンチマーク──合成テストで見る総合力
ゲーム実測だけでなく、定番の合成ベンチマーク3DMarkのスコアも確認しておきましょう。PC Watchのレビューデータを中心に集計しています。
| テスト | RX 9070 XT | RTX 5070 Ti | RTX 5070 | RX 7900 GRE |
|---|---|---|---|---|
| Speed Way(DX12 Ultimate) | 5,680 | 6,530 | 5,150 | 3,920 |
| Steel Nomad(高負荷) | 6,250 | 5,580 | 4,310 | 4,170 |
| Steel Nomad Light(軽量) | 15,200 | 17,480 | 12,990 | 12,450 |
3DMarkの結果で面白いのは、GPU負荷が高いSteel Nomad(通常版)ではRTX 5070 Tiを約12%も上回っている点です。一方で、Speed Wayのように間接照明が絡むテストではNVIDIAが有利になる傾向が見られます。合成テストの結果はあくまで参考値ですが、RDNA 4の地力の高さが見て取れるデータです。
参考:3DMark公式サイト / PC Watch Radeon RX 9070 XT レビュー
RX 9070 XTが得意なゲーム・苦手なゲーム
ベンチマークを見ていくと、RX 9070 XTには比較的得意・不得意がはっきり出る傾向があります。購入前にここを把握しておくと、ミスマッチを防げます。
得意なタイトル・シーン
◎ Dragon’s Dogma 2──1440pでRTX 5070 Tiと3%差。4KでもRTX 5070を24%リード。AMDにとって「エースタイトル」と言っていい成績です。
◎ Resident Evil 4──4Kで103 fps、RTX 4080 Superとほぼ横並び。価格差を考えればお値打ち感が際立ちます。
◎ 中量級RTゲーム──Dragon’s Dogma 2 RTのような「重すぎないRT」では、前世代から大幅改善して十分戦えます。
◎ VRAM多消費タイトル──16GBのおかげで、RTX 5070(12GB)が息切れするCyberpunk RT Ultra等で安定動作します。
苦手なタイトル・シーン
△ Black Myth: Wukong(特にRT)──NVIDIA最適化が強いタイトル。RT ONだとRTX 5070に対しても差が開きがちです。
△ フルパストレーシング──Cyberpunk 2077のRT Ultraなど、レイトレーシングの比重が極端に高い設定ではNVIDIAとの差が大きくなります。
△ Counter-Strike 2──TechSpotのテストでは7900 GREと同程度にとどまる結果も。eSports系は世代分の恩恵が出にくいようです。
FSR 4とAFMF──アップスケーリング周りの現状
RX 9070 XTの購入を検討するうえで避けて通れないのが、AMDのアップスケーリング技術「FSR」とフレーム生成「AFMF」の対応状況です。
FSR 4(”Redstone”)は2025年12月にリリースされた最新バージョンで、機械学習ベースのアップスケーリングを導入しています。NVIDIAのDLSSに画質面で近づいた評価がある一方で、対応タイトルがまだかなり少ないのが現状です。大半のゲームではFSR 3のフレーム生成に頼ることになります。
一方で、AMD Fluid Motion Frames(AFMF)はドライバレベルで動作するフレーム生成技術なので、ゲーム側の対応を待つ必要がありません。FSR 4の対応タイトルが少ない現状では、AFMFでフレームレートを底上げするのが現実的な運用方法になっています。
NVIDIAのDLSS 4は対応タイトルが数百本に達しているのに対し、FSR 4はまだ発展途上です。この点は正直に認めざるを得ません。ただ、ラスタライズ性能自体が高いおかげで、「アップスケーリングに頼らなくても十分遊べる」場面が多いのがRX 9070 XTの強みでもあります。
参考:AMD Software: Adrenalin Edition 公式ページ
消費電力と電源ユニットの目安
RX 9070 XTのTBPは304Wで、RTX 5070 Tiの300Wとほぼ同水準です。ただし実測では、ゲーム中にボード全体で330W前後、瞬間的なスパイクで350W超を記録するケースもレビューで報告されています。
推奨電源容量の目安
CPU(例:Ryzen 7 9800X3D=120W)+ GPU(約330W)を合計して2倍が安全ライン。
850W以上の80PLUS Gold電源を選んでおけば、瞬間的な電力スパイクにも余裕をもって対応できます。
補助電源コネクタはモデルによって異なりますが、16ピン(12VHPWR)×1系統か、8ピン×3系統が一般的です。ATX 3.0対応電源を持っていれば16ピン直結でスッキリ配線できますし、変換アダプタが同梱されているモデルも多いので、既存環境からの移行もそこまで困らないでしょう。
国内の販売価格と実売相場
RX 9070 XTの国内MSRP(AMD希望小売価格)は税込112,980円ですが、実際の相場は時期やモデルによって変動しています。2026年3月時点のざっくりとした相場感は以下の通りです。
| 価格帯 | 対象モデル例 |
|---|---|
| 約108,000〜115,000円 | 玄人志向、ASRock Steel Legend、Sapphire Pulseなどベースモデル |
| 約115,000〜130,000円 | PowerColor Red Devil、ASUS TUF、Sapphire Nitro+など上位モデル |
| 約130,000円以上 | ASRock Taichi、XFX Mercuryなどフラッグシップモデル |
| 中古:約100,000〜107,000円 | 駿河屋・メルカリ等での出品価格帯 |
DRAM価格の高騰を受けてGPU全体的に値上がり傾向にあり、RX 9070 XTも2025年のブラックフライデー時に9万円を切った頃と比べると上昇しています。なお、RTX 5070 Tiの実売が11〜12万円台で品薄が続いていることを考えると、入手性の面ではRX 9070 XTの方が有利な場面が多いです。
※ 価格は2026年3月時点の情報です。最新価格は価格.com グラフィックボード RX 9070 XTでご確認ください。
RX 9070 XTはどんな人に向いている?
ベンチマークデータを総合すると、RX 9070 XTが特にハマるのは以下のような使い方をする人です。
おすすめできる人
・1440p 高画質ゲーミングがメイン──最も「おいしいゾーン」。ほぼ全タイトルで快適にプレイできます
・4K入門を考えている──FSRとの合わせ技で、多くのタイトルを4K 60fps以上で回せます
・コスパ重視──RTX 4080 Super級の性能を10万円台前半で手に入れたい方
・VRAM 16GBの安心感が欲しい──今後の重量級タイトルに備えたい方
・RX 7800 XT / RX 7900 GREからのアップグレード──明確な性能向上を体感できます
あまりおすすめしない人
・RTX系の最新技術(DLSS 4 / Ray Reconstruction等)をフル活用したい──AMD側の対応はまだ追いついていません
・フルパストレーシングが前提──Cyberpunk 2077のRT Overdriveなどでは依然としてNVIDIAが強いです
・すでにRX 7900 XTX / RTX 4080以上を持っている──アップグレード幅が小さく、費用対効果が薄いです
まとめ──RX 9070 XTはRDNA 4の本気を感じるGPU
RX 9070 XTを各種ベンチマークで見てきましたが、一言でまとめると「RTX 5070 Tiに迫るラスタライズ性能を、RTX 5070に近い価格帯で提供できるGPU」です。
RDNA 4アーキテクチャによるIPC向上は本物で、CU数が24%減ったにもかかわらずRX 7900 XTの性能を上回り、RX 7900 XTXに肉薄するスコアを出しています。レイトレーシングの改善も著しく、前世代比で45〜84%の性能向上を記録するタイトルもあります。
もちろん弱点もあります。フルパストレーシングではNVIDIAに大差をつけられますし、FSR 4の対応タイトル不足も否めません。ただし、16GB VRAMと高いラスタライズ性能、そしてドライバ成熟による伸びしろを考えると、1440p〜4Kゲーミングのコスパモンスターとしてかなり魅力的な選択肢です。
RTX 5070 Tiが品薄で値上がりしている現状を踏まえると、実売10万円台前半で買えるRX 9070 XTの存在感はむしろ増しているとさえ言えます。「NVIDIAじゃなきゃダメ」というこだわりがなければ、十分に検討する価値のあるグラフィックボードです。
データ出典:GamersNexus、TechSpot、TechPowerUp、Tom’s Hardware、PC Watch、PassMark、3DMarkの公開レビューおよびベンチマークデータを基に筆者が独自に集計・整理しています。各レビューサイトは異なるテスト環境・ドライババージョンを使用しているため、掲載値は傾向を把握するための参考値としてご覧ください。最新のベンチマーク結果は各レビューサイトの原文をあわせてご確認ください。
更新日:2026年3月16日 / テスト環境の参考:各レビューサイトでのCPUはRyzen 7 9800X3D / Ryzen 9 9950X3D、メモリはDDR5-6000 32GBが主に使用されています。
